お金

ティッシュにお米も…全品半額「関西発のアウトレットスーパー」創業者に安さのカラクリを聞く

押入れをぶち抜いて電球1個で事業スタート

カットリベロ

222では、50枚入りのマスクも169円、398円など驚きの価格で販売

 そのため、当時使えるお金といえば、半年間の副業で得た数万円。住んでいた古い家の押入れをぶち抜き、電球を1個ぶら下げたスペースを事務所にし、2005年に「有限会社かっぱ堂」として事業をスタートさせている。 「そこから徐々に売り上げが増えていき、パートさんを1人、2人と雇えるまでになってきたので、さすがに自宅というわけにもいかず物置小屋のようなところを借りました。そのあとは、売上が増えていくごとにヤドカリのごとくコロコロと社屋を変えていった感じです。そして、倉庫兼事務所のようなところを借りて、4、5人で運営するようになりました」  最初は古本のみだったが、荒木氏いわく、CDやDVD、ゲームソフトなど、BOOKOFFにあるような商材を扱うように。そして、書籍商組合に加入したり、宅配で買取や集荷をしたりして事業を拡大。そんな当時を振り返り、「奥様との約束があったからこそ、背水の陣で挑むことができた」と語る。

「すべて半額のアウトレット価格」のカラクリ

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箱が潰れてしまったテッィッシュペーパー

 流通価格の半額以下で商品を販売する激安アウトレット店「222」。今回訪れた店舗では、ティッシュペーパーやマスク、お米などの生活必需品が、いずれも半額以下のアウトレット価格で売られていた。  だが、このようなビジネスモデルとなったのは、2011年に起きた東日本大震災の出来事がキッカケ。滋賀県在住だった荒木氏自身には被害はなかったが、被災した知り合いもいた。高いところでは10メートルほどから商品が落下し、処分に困っているという相談を受け、荒木氏は現地へ飛んだ。 「体育館一面の大きな倉庫でした。一部はメーカーに返品もされたようですが、大部分が検品もされずに散乱していたんです。そんな状態だったので、お相手の方も『また今度』や『1か月後』などではなく、いますぐにイエスかノーか回答がほしいという感じでした。  ただ、金額は、数千万円というものすごい金額。最初にイエスと言ったものの、よく考えたらお金がないな……と気づいて、すぐに銀行に融資をお願いしましたし、商品の量もすごかったので、倉庫も探しに行ったんです(笑)。そこで失敗していたら、ヤバかったですね」
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ネットから電気ない実店舗のオープンへ
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