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東大生が感動した「楽しみながら、教養が身につく傑作マンガ」ベスト3

○『古代戦士ハニワット』

武富健治 著(双葉社)
『古代戦士ハニワット』

『古代戦士ハニワット』

 皆さんは土偶と埴輪の違いを知っていますか? どちらもはるか昔に作られた、古代の土人形ではあるのですが、しっかりとした違いを説明できる人は、きっと少ないのではないかと思います。  土偶と埴輪の違いはいくつかありますが、まずは挙げられるのが「製作年代の違い」。土偶が作られたのはいまから1万年も前の縄文時代ですが、埴輪が作られたのは古墳時代(3~6世紀頃)。もっとも古い埴輪でも、せいぜいが1800年くらい前の作品であることを考えると、まったく違いますよね。 『古代戦士ハニワット』は埴輪をモデルにした戦士と、土偶をモデルにした神の依り代との接触をベースとしつつ、それらに翻弄される人間の弱さや儚さを見事に描き出したドラマ作品です。

作者が漫画家になるずっと前から書き続けてきた

 この作品のすごいところは、世界観の作りこみの深さ。作者の武富先生はこの『ハニワット』をプロの漫画家になるずっと前、子供の頃から継続して描き続けているのです。その分、やはり年季が入っているだけあり、たった一回読んだだけでは味わいきれないほど深みのある物語を紡ぎだしています。  また、人類にパニックを引き起こす役として描かれている土偶型の石像「ドグーン」たちは、おそらく有名な土偶がモデルになっているのでしょうか、どこかで見たことがあるような形をしています。 『ハニワット』にファンになれば、これから博物館に行ったとき、土偶を目にした瞬間に「あっ、こいつだ!」と興奮すること間違いなし。  一度は打ち切り危機にもなったのに、面白さが口コミで広まっていった結果、翻って連載継続が決定した本作。まずはマンガを手に取って、武富ワールドの奥深さに触れてみるのはいかがでしょうか。
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マンガで知る「科学の本質」
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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