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東大生が感動した「元ネタを知ると、より楽しめる傑作マンガ」ベスト3

○『天空の玉座』

青木朋著(秋田書店)
『天空の玉座』

『天空の玉座』

天空の玉座』は、近世中国をモチーフとした架空の中国風王朝を舞台とする冒険活劇漫画です。もともと平民として暮らしていた主人公・珊瑚は、実は自分が先帝の重臣・姫家の遺児であったことを告げられます。  そうして召し抱えられた朝廷は、姫家を打ち滅ぼした政敵である皇太后が牛耳る魔境でした。皇太后一派の横暴に、どうにか一矢報いんとする珊瑚らの奮闘が熱い物語です。  この話の面白いところは、なんといっても人物描写です。『天空の玉座』には、実際に中国の歴史を学ぶと出てくるようなさまざまな英傑たちをモチーフとしたキャラクターが続々と登場するのです。

モチーフとされる人物を見抜けると…

 実際に読んでいる途中「あ、このキャラの元ネタって、あれかな?」と思うと、あとがきで「このキャラクターはこの人物が元ネタなんです!」と明かされていたりします。モチーフとされる人物を見抜けると、なんだか少し得意な気分になれますよね。  ところで、この『天空の玉座』というタイトルは、渡辺信一郎先生による同名の中国史に関する論文からとったのだとか。こんなにカッコいいタイトルの論文を見かけたら、ついつい気になってしまいますよね。  この作品から古代中国に興味が沸いたら、いつか元ネタとなった論文の方にもチャレンジしてみてもいいかもしれません。ただし、僕は大学の図書館で挑戦し、挫折しました……。
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江戸時代への理解が深まる名作
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