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パチンコ業界最大のタブー「釘調整」を巡る警察、メーカー、ホールの思惑

釘を叩いて逮捕される事案は後を絶たない

釘問題イメージ

極端に釘を曲げることでまるで異なるゲーム性、高い射幸性を作り出し、パチンコファンを狂喜させた一発台

 3月の中旬、九州のパチンコホールが「無許可で釘変更の疑い」で、経営者らが書類送検されたというニュースがありました。   「釘」問題はパチンコにとってなかなか根深いもので、釘を「変更」しなければホールは利益を調整することができません。すなわち「釘調整=利益調整」であり、だからこそ昔はオーナーが指示した利益にピタリと合わせる「釘師」という専門職がいました。また店長になるためには、釘を叩いて利益調整をできることが必要なスキルでもありました。    当然、客側もホールに入って台を選ぶ時には釘をチェックしますし、これは昔からのファンなら今でもなんとなく気にしているはず。とはいっても大手ホールではかなり前から「一律調整」とかいって、基本的に全台を同じような調整で揃えているから意味はないんですけどね……。    それでも筆者が好むような中小のホールでは、今でも日によって釘を開け閉めしているので、回る台を見つけたらついつい粘ってしまいます。そんなホールと客側との駆け引きもパチンコの面白さだと思うからこそ、一律調整のホールには行かないんですけど。  

許される釘調整とは?

釘確認シート

違法な調整を行っていないかチェックするための「釘確認シート」。◯部分を大きくはみ出していると、今回のような事件になってしまう恐れも

 筆者の個人的好みはさておき、一律調整だろうが個別に調整していようが、今でもある程度の釘調整は行われています。ただしそれはガイドラインに沿ってというのが大前提。そのガイドラインになっているのが、新台の納品時にメーカー側から配布される「釘確認シート」というもの。    釘確認シートとは、透明なシートに重要な部分の釘の適正な位置がプリントされているもので、これを台に当てて「釘の頭が○印からはみ出していなければ問題なし」という形で確認を行う。○部分には若干の余裕があって、その範囲内で調整すれば利益を確保できるし、逆に玉を出すこともできるそうです。    ただこれを大きく逸脱すれば、今回の事件のようになる可能性は高い。新台導入時には行政による検査もあるんですが、実際に釘確認シートを当てて確認する担当官もいるみたいです。
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釘に対する規則は曖昧…
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