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パチンコ業界最大のタブー「釘調整」を巡る警察、メーカー、ホールの思惑

 

釘を曲げて新しいゲーム性を作り出した時代もあった

   そもそも釘調整をしなければ良いのでは? という疑問もありますが、釘はひたすら玉が当たっているだけに自然と曲がってしまうもの。それを元の状態に直すというのが建前としての釘調整であり、その結果として、意図的なのかどうかは分かりませんが、回る回らない、良い台と悪い台ができてしまう。    そういう暗黙の了解、いわばグレーゾーン的なところがあるのが昔からの業界であり、そこが面白い部分であります。今回の事件、どれくらい釘を曲げていたかどうかは現物を見ていないのでわかりませんが、少なくともガイドラインは逸脱していたのではないかなと。    グレーというより真っ黒だった時代には、一発台のように釘を思いっきり曲げて玉の流れるルートを作ってまったく別のゲーム性にしてみたり、特定の釘を曲げると連チャンしてしまったりと、なかなかに面白いことも多々ありました。後者の場合には逮捕者も出て、結果的に連チャン機全盛時代が終わるという、まるでマックス機時代の終焉と同じような事態にもなりましたが、それだけパチンコというのは「釘があってこそ」だと思います。  

釘調整ができないスマートパチンコが登場

   事件があった直後、メーカー団体から、かつては封入式だとか管理遊技機などと呼ばれていたスマートパチンコが、来年1月には導入できるというリリースが出されました。スマートパチンコの一番の特徴は「ホール側が一切釘調整をできない」ということ。    本当に釘を触れないのかどうか、そうなると利益調整はどうするのか……。ちなみにP機で再び認められた設定機は、ホールからもファンからもそっぽを向かれています。仮にそうなったとしたらパチンコの楽しさの大きな部分がなくなってしまうと思うのですが、その時に筆者はどうするのか。もしかしたら40年近く打ち続けたパチンコを、やっと卒業できるのかもしれません。 文/キム・ラモーン
ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。
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