更新日:2022年06月03日 18:31
お金

駄菓子屋から「うまい棒」が消えた。仕入れるのをやめた意外な理由

「するめ」1枚30円⇒100円

駄菓子屋

「モロッコヨーグルは数十年前に10円から20円に値上がりしたの。するめは、昔はもっと肉厚の商品があったんだけど、今は薄くなりました」

 原材料や物流コストの高騰で、値上がりした商品は他にもある。 「仕入れ値が上がって、とうとう『ココアシガレット』と『ビッグカツ』が30円から40円になり、『ねりあめ』は40円から50円に値上がり。『モロッコヨーグル』は少しずつ容器が小さくなって、これも実質上の値上げね」 駄菓子屋 大人にも人気の「するめ」は、昔は1枚30円だったが、約5年前から続くイカ不漁も影響し今は100円だ。 「酔っ払い客がするめを買いに来たから『100円です』って言ったら、『ぼったくってるだろ!』って怒鳴られたこともあります。消費税率が5%に引き上がった’97年、ついに消費税をつけるようになったときも『駄菓子屋のくせに夢がない』って散々言われました」

子供たちは冷静

 だが、駄菓子の値上げに憤るのは古き良き子供時代を過ごしてきた大人が中心で、当の子供たちは冷静な様子だという。 「最近の子供たちは、景気が悪いことで物の値段が上がることを『仕方ない』と納得しているように感じます。子供の数も減ったし、今はコンビニでも駄菓子が買えるし、厳しい時代になりました」  それでも内山さんが駄菓子屋を続けるのは、お金に代え難い喜びや楽しさがあるからだ。 「子供って面白いのよ。何歳になっても好きなお菓子が同じなの。『あなたはいつもこれを買うわね』って言うと、『うれしい、覚えていてくれたの?』って喜ぶ。そういう顔を見ると、元気なうちは頑張らなくちゃって思うんです」
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値上げの3大商品
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