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上原浩治の“書道アート”が大反響。原愛梨のスランプを救った「母の言葉」とは?

異国の地で感じた課題を解決するために考案した「書道アート」

書道アートとスニーカーのコラボ

書道アートとスニーカーのコラボ(非売品)。海外の人からは「販売してほしい」と大人気だったという

 原さんは書道と絵を融合させた「書道アート」というジャンルを確立させ、文字の美しさと絵の芸術性が交差する独特の作品を手がけている。  じつは2016年にシンガポールで書道パフォーマンスをしたとき、「日本語が読めない人に、どう文字を説明すればいいのか」という課題を感じたのが、書道アートを考案する原体験になっているそうだ。 「現地で書道を書いていると、『これは何の文字を書いているの?』とよく聞かれて。日本語なので、うまく説明できずにもどかしさを感じていたんです。どうしたら、外国の方にも書道の素晴らしさが伝わるかと考えたとき、世界共通のアートと掛け合わせれば、もっと理解してくれるとひらめきました。そこから、試行錯誤を重ねて現在のスタイルに行き着いています」

アスリートの作品をSNSで投稿したのがブレイクのきっかけに

上原浩治

元メジャーリーガー上原浩治氏の引退を受け、「上原浩治」の文字を使って投球フォームを描いた作品

 文字にはそれぞれ意味があり、ストーリーがある。  原さんは自分なりの表現を膨らませ、どう伝えていけばいいかを考えながら制作にあたっているという。  人や動物、自然などいろんなモチーフがあるなか、SNSで大きな反響を呼んだのがアスリートを題材にした書道アートだ。 “雑草魂”の異名を持つ元プロ野球選手「上原 浩治」の文字を使って投球フォームを書いた作品は、SNSで話題沸騰したばかりか、本人からも絶賛の声をもらい、書道アーティストとして名が知られるようになったのだ。 「父親や姉が大の野球ファンだったので、昔からプロ野球の試合にはよく連れていってもらっていました。野球が好きだったこともあり、書道と野球を組み合わせたら面白いんじゃないかと思い、作品を制作するようになったんです。そこで気づいたのは『スポーツと書道は相性がいい』ということ。  写真だとアスリートの鍛え上げられた筋肉までは伝わりづらいじゃないですか。でも、書道であれば筆の筆跡を生かして筋肉の躍動感や立体感を表現できる。文字は体を表すとも言いますが、文字を書くことでアスリートの生き様を描写できるので、アスリートを題材にした書道アートの作品を手がけています」  ほかにも、フィギュアスケートの宇野昌磨選手やエンゼルスの大谷翔平選手など、数々のアスリートに着目した作品を制作している。最近ではアスリートから「自分の作品を書いてほしい」という依頼が舞い込むこともあるそうだ。  まさに名実ともに書道アーティストとして認められ、「書道が得意な有名人になる」という夢がかなったと言えるのではないだろうか。
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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