奇跡の舞台となった静岡競輪場では、公式Youtubeチャンネルでレースの生配信を行っている。原野選手が1着となったレース時の解説者である、競輪予想漫談師「店長」さんの興奮ぶりを見れば、その凄さがわかるだろう。
――静岡競輪の公式YouTubeの解説者もこのレースを見て感動してましたね。 原野：あれは嬉しかったですね。レース展望でも俺のことかなり深く取り上げてくれて。この動画、もう30回くらい観てますよ（笑）。自分自身、デビューから25年で2000走弱してますけど、一番のレースだと思っています。単騎だったから自分でやった感が強くて最高に気持ち良かったです。 ――ゴール線を通過した瞬間、いいガッツポーズが出てましたもんね。 原野：ただ、2日目と最終日に凡走しちゃってるのが悔やまれますね。店長さんも2日目はガッカリしてましたから……。 ――最後に、今後のレースに向けて一言お願いします。 原野：何十万円であろうと、配当がつくということは誰かが買ってくれているわけですよね。結果的に勝てなかったとしても、1票でも買ってくれたファンが少しでも夢を見られる、ゴール直前まで期待して楽しめるレースをするために全力で走ります。 それと今回当てた7票を持っていた人たちは、長年連れ添った夫婦みたいなものだからね。「お待たせしました、いままでありがとう」って言いたいですね（笑） 　競輪は生身の人間が自転車をこぐだけに、その他の公営レースと比べ選手自身の実力やコンディションが最も結果に出やすいもの。それゆえ、何気ないファンの声援が時に選手を奮い立たせ、最大限の実力を引き出し大波乱となることもあるのだ。ネットでの投票が主流となっている昨今、たまには競輪場に直接足を運び、金網越しに選手たちに声援をかけてみてはいかがだろうか。思いがけない高配当をゲットできるかもしれない。 取材・文／サ行桜井パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。