更新日:2022年06月08日 19:28
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給付金詐欺、のせられて100万円を不正受給した人たちは逮捕されるか

―[今週の顔]―

東京国税局職員まで加担

給付金詐欺

計2億円の不正受給に関わったとされる男女7人のうち2人が東京国税局職員だった

 世間は欺かれることを欲す――オランダの人文学者エラスムスが『愚神礼賛』で説いたように、国は嬉々として欺かれたのか?  持続化給付金を巡る詐欺事件が次々と明るみに出てきている。5月30日、警視庁は9億6000万円を不正受給したとされる一家3人を詐欺容疑で逮捕し、逃亡中の元夫を指名手配。6月2日には2億円の不正受給疑惑でコンサル会社社長ら3人、さらには東京国税局職員を含む男女7人も逮捕された。元埼玉県警の佐々木成三氏が背景を解説する。 「素早い給付を優先して、審査がザルだったため、当初から不正受給が横行する可能性が指摘されていました。ここにきて摘発が続いているのは、元締の下に多くの紹介者が存在するため。彼らが学生や主婦を勧誘し、元締が申請に必要な確定申告書を用意して電話でネット申請の方法を指南する。  こうして申請者が100万円を受け取れば、紹介者が10万円、元締が20万~40万円を取る。問題は、『給付金は誰でももらえるもの』とそそのかされたが故に、申請者の多くに罪の意識がないこと。彼らに罪を認めさせ、紹介者を洗い出し、本丸を突き止める捜査に時間を要するわけです」
給付金詐欺

9.6億円を詐取したとされる事件では谷口光弘容疑者が指名手配されている

警察はすでに不正受給者を把握している

 ただし、「すでに警察は多くの不正受給者に当たりをつけている」(全国紙社会部記者)という。 「過去に一度も確定申告していない学生や主婦が給付金申請用にわずかな課税所得を申告すれば、当然目立つ。加えて相次ぐ不正摘発で、2万人以上が給付金の返還を申し出ているため、彼らを端緒に元締を洗い出している」(同)
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摘発されるのはごく一部
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