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実は「6時間睡眠」が危ない?スリープコーチが伝授する「攻めの睡眠」の必要性

日本は「睡眠不足大国」

 はじめまして、アスリートを中心に睡眠改善法を教えている「スリープコーチ」の矢野達人です。私は日本ではあまり聞かないスリープコーチという仕事をしており、なかでもアスリートへの「パフォーマンスUPのためのスリープコーチング」を得意としています。  また、それ以外に「オルソグループ」という総合医療グループ内で睡眠部門も担当しています。そちらでは睡眠サロンの運営や一般向けの睡眠改善指導、さらには企業に対して「健康経営のための睡眠研修」など、様々な取り組みをしています。要するに、「睡眠の何でも屋さん」みたいな存在ですね。

スリープコーチの矢野達人氏

 さて皆さん、実は日本が「睡眠不足大国」と言われているのをご存じでしょうか。日本人の睡眠に対する価値観の低さはデータでも明らかで、先進国の中でも平均睡眠時間はワースト1位です。  また、米シンクタンクが2016年に発表したデータによれば、睡眠不足が原因とされる日本の経済損失は、なんと約15兆円にも上ると言われています。皆さんの中にも、普段から睡眠不足に陥っていたまま働いている人が多いでしょう。

睡眠不足を自覚しない「6時間睡眠」の落とし穴

 しかし、実は「睡眠不足を自覚している人」よりも危険な人がいます。それは、「6時間睡眠」の人です。  ペンシルベニア大学が行った、睡眠時間の差が反応速度にどのように影響するのかを調べた調査結果があります。その調査では、「毎日徹夜している人」、「毎日4時間睡眠の人」、「6時間睡眠の人」、「8時間睡眠の人」に分けて反応速度テストを行ったところ、なんと毎日6時間寝ていても、2週間後には徹夜した人と同じくらい反応速度が低下することがわかりました。  徹夜や4時間睡眠の人は、寝不足を自覚していることが多いです。一方で、特に忙しい人の場合、「6時間寝れたらいいほうだ」と思う人は多い印象です。しかし、実際には6時間睡眠では十分な休息がとれず、仕事のパフォーマンスにも影響が出てしまうのです。  つまり、いいパフォーマンスを発揮したければ、「睡眠時間」×「質の良い睡眠(回復)」が不可欠なのです。そこで私が推奨するのが、積極的に睡眠にこだわる「攻めの睡眠」です。 ・十分な睡眠時間×質の良い睡眠・脳のパフォーマンスが高まる・「質の高い思考」が生まれる という、いいサイクルができます。この効果はアスリートでも会社員でも同じです。睡眠とは、ただ長時間眠ればいいわけではありません。「ハイパフォーマンスを生むために、ハイリカバリーをすること」こそ、最大の目的なのです。
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アスリートが体感した「攻めの睡眠」
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