更新日:2022年09月26日 18:22
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実は「6時間睡眠」が危ない?スリープコーチが伝授する「攻めの睡眠」の必要性

アスリートが体感した「攻めの睡眠」の効果

 私は今まで様々なアスリートに対してスリープコーチングを行ってきました。格闘家の場合、大袈裟かもしれませんが、他の競技の「勝ち負け」というプレッシャーだけではなく「生きるか死ぬか」という恐怖感も強いため、試合が近づくと、減量のストレスなども相まって眠れなくなる選手も少なくありません。  実際にスリープコーチングをさせていただいた選手は、「計量の前日でもいつも通り眠れるようになった」と喜んでくれています。  また、車いすバスケの日本代表としてパラリンピックにも出場した選手にもスリープコーチングをさせていただいています。その選手は大会ごとに「今回は代表に選ばれるか」というプレッシャーがあり、ネガティブ思考になってしまいがちでした。すると、就寝時に「起きられなかったらどうしよう」と考え、プレー面以外の日常生活にも影響が出てしまっている状態でした。  そこで、「睡眠を変えることでポジティブ思考にもなれるし、パフォーマンスも上がる」と伝え、日々の睡眠をサポート。今では海外遠征時にも国際通話でアドバイスをさせていただき、自身のパフォーマンスが高く保てていると喜んでもらっています。

睡眠不足がもたらす様々な弊害

 このように私たちはアスリートをはじめ、様々な方の「睡眠からパフォーマンスを変える」というお手伝いをしています。それは、私たちには「日本人の睡眠の価値観を変える」という目的があるからです。その結果、「日本中に笑顔と元気を増やせる」と、信じています。  睡眠不足の弊害は枚挙にいとまがありません。認知症リスクや糖尿病、高血圧などの生活習慣病リスクも高まります。少子高齢化が進む日本社会で、医療費・介護費の増大や老々介護が問題になるなか、睡眠改善が果たせる役割はとても大きいんです。  そのためには、アスリートなど影響力がある人に実践してもらい、私たちと共に睡眠の価値観を広めてもらう――それこそが、「日本人の睡眠の価値観」が変わるための一歩になると考えています。
スリープコーチ。上級睡眠健康指導士。(一社)オルソスリープアカデミー代表理事。2016年に「快眠ほぐしサロン すいみん」(大阪市)をオープンし、約2万人の睡眠をサポート。また、企業向けに睡眠セミナーも実施してきた。2022年2月からニック・リトルヘイルズ氏と正式に契約し、アスリートに向けた睡眠指導も本格化。社会全体の睡眠の質を高めるために奮闘している。Instagram(@tatsutoyano)Twitter(@yanotatsuto
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