更新日:2022年08月24日 17:42
お金

海外旅行に行きにくいのに「高級カードを持つ意味」は? 変化する上級会員の欲求

“自分磨き”にお金と時間を投資するユーザーが増えた

菊地望 その一方、コロナ禍で海外旅行がしにくくなり、空港ラウンジの利用やVIP優待のメリットを享受するために、ステータスカードを所有する需要は確実に減少したと考えられる。  このような状況下で、高い年会費を払ってもハイステータスなカードを持つ必要性はあるのだろうか。  菊地さんは「コロナ禍のステイホームなどで物理的に動きが制限された分、自分と向き合う機会が増え、自己投資するニーズが高まっている」と話す。 「海外ラウンジの利用や旅行傷害保険の充実といった付帯サービスに固執するのは、コロナ禍において時代遅れだと感じています。もちろんラグジュアリーカードも、国内外の空港ラウンジにアクセスできる機能や、最⾼1.2億円の旅行傷害保険も備えているものの、そこはメインに打ち出していません。2008年に米国で生まれた当初から『いかにお客様のライフスタイルへ寄り添うことができるか』を掲げ、お客様のQOL向上につながるサポートができるようなカードを目指してきました」  加えて、ラグジュアリーカードが実施した消費動向の調査によれば、海外渡航がしにくくなった反面、“自分磨き”にお金と時間を使い、自己研鑽に励む人が多くなったという。 「コロナ禍ゆえに節約するよりも、自分の見識や価値の向上につながるものであれば、いとわず投資するマインドを持っているお客様が非常に増えていると感じています。特にステータスの高い人ほど、投資マインドを持っていることが調査でも浮き彫りになりました」

カード所有者同士の交流会を月1で開催し、横の繋がりを創出

ソーシャルアワー

月に1度、ホテルのラウンジで開催されている「ソーシャルアワー」

 さらに、2022年4月からはコロナ禍で一旦中止していた「ソーシャルアワー」というラグジュアリーカード会員限定のネットワーキングイベントを復活させて月に一度開催し、会員同士の交流をサポートしているという。  カード所有者にはフリーランスや個人事業主、経営者が多く、横の繋がりを求めていることから実施しており、好評を得ているそうだ。 「ラグジュアリーカードの社員もネットワーキングに参加し、積極的にお客様同士をお繋ぎしたりと交流が生まれるように心がけています。嬉しかったのは『ソーシャルアワーでのご縁で新たなビジネスが生まれた』とお客様から報告をもらったことですね。コミュニケーションの場として活用したり、気の合う仲間を探したりと、いろんな目的で使える場にしていけたらと思っています」
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カードを持つことで『自分の成長につながるか』
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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