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ガールズ選手の救護はセクハラにならないように…。競輪場のバンク内にいる審判補助員の仕事

マルチに自転車と関わる遠藤氏から見た競輪の魅力とは?

 遠藤さんは現在、恵比寿で自転車屋を営みつつ要請があれば補助員としてレース場へ。また、自転車強化訓練にも参加し、より効率良く身になる練習方法はないか、どうすれば若手選手がもっと強くなれるか、といったことを考える指導者的立場でも活動している。そんな3つの顔を持つ遠藤氏から見た競輪の魅力とは? ――元選手、補助員そして指導者として「ココに注目するともっと競輪が面白くなる」といったポイントはありますか? 遠藤:見ていて美しいなって思う競走もあるし、何やってんだよって競走もあったり、いろいろですが、やっぱりラインをきっちりまとめる、追い込み、マーカーの人は素晴らしいって思いますね。あと、行くべき時にちゃんと行く先行屋。行けるかわかんないけど絶対にいく。そういう先行屋は綺麗だなって思います。  いまブーメラン作戦ってのがあるんですが、切るだけ切って誘導員を退避させる。それで、自分は戻って先行屋に風を当てさせ弱らせてから捲るっていう作戦。まあ、そんなことやってるヤツは大抵捲れないんだけどね(笑)。  あと、良い先行屋は決して内を空けない。しっかりと内を締めて番手に仕事させればいいのに、内を空ける選手がたまにいるんですよね。それで、別のラインに内を突っ込まれちゃって番手を取られちゃう。こういうのは美しくないです。  そういうとこに注目してみると、選手の性格が分かるようになるんですよ。こいつは綺麗な先行屋だなとか、気持ちの良いマーカーだなって。ファンからすると車券の当たりハズレが一番重要だとは思うけど、こういった点にも注目してみると、レースがより面白くなるんじゃないかな。

補助員がいるからこそ白熱したレースが楽しめる

 遠藤さん曰く、補助員を始めたことで現役時代には全く考えもしなかったことに気づくことも多いという。  バンクの内側でレースを見ていると、「なんであそこで突っ込んでいくのかな」、「そこで持っていったら落ちるだろう」と思うものの、選手だった時は「自分も平気でやって落車し、たびたび補助員に電動カートで運んでもらったな、いろいろ迷惑かけていたな」と、過去の自分の走りを振り返るとのこと。  もちろん、選手たちは常に1つでも上の着を取ることを一番に考えているだけに、危険を承知の上で強引な走りをすることもあるだろう。だが、それも安全を見守る補助員がいるからこそできるわけだ。  選手たちが全力でレースに挑み、より白熱したレースを競輪ファンに楽しんでもらう上で絶対に欠かせない存在である審判補助員。彼らの仕事に注目してみると、また一つ競輪の面白い世界が垣間見ることができた。 取材・文/サ行桜井
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai
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