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地下アイドルから“手に職”求めてエンジニアに転身。夢を諦めずに二刀流の決意

 人生100年時代と言われて久しい昨今、プロスポーツやアイドル活動の引退後における“セカンドキャリア”が、より注目されるようになった。  多様な時代だからこそ、異色の転身を遂げて第2の人生を歩む人も少なくない。もともとは地下アイドルグループに所属していたが、現在は一般企業でSE(システムエンジニア)として日々コーディング業務を行う朝日奈⻘(あお)さんもその一人だ。
朝日奈⻘

株式会社エーエスエルでシステムエンジニアとして働く朝日奈⻘さん

 アイドルからエンジニアという畑違いの業界に飛び込んだ理由について、朝日奈さんに話を聞いた。

「自分探し」の過程で芸能活動を開始

朝日奈⻘ 3歳から高校2年生まで水泳を習っていたそうだ。当時は毎日と言っていいほど泳いでおり、その実力はジュニアオリンピックに出るほど折り紙つきだったとか。  そんな朝日奈さんは東日本大震災を機に東京へ上京。  大学では4年間、心理学を学びながら“自分探し”をしていくなかで、大学2年時に芸能事務所のオーディションを受けることに。 「中学3年生の頃に劇団四季のミュージカル『ウィキッド』を観賞して、お芝居って楽しそうだなと思ったんです。もともと母がミュージカルのダンサーや芝居をやっていたこともあり、自分も演劇に興味を持つようになって。そこで大学では水泳ではなく演劇部に入り、芸能事務所のオーディションも合格したので、大学生の頃から芸能活動を始めるようになりました」

就職はせずに芸能とアルバイトを並行

 芸能の仕事では、CMやドラマなどにエキストラとして出演するモブ(一般人)が多かったという。就職活動の時期に差し掛かると、芸能事務所のレッスンを担当する先生から「就職するかどうかは別として、内定を3社取るまで頑張りなさい」と言われ、就活も経験。  大学卒業後は就職せずにアルバイトと並行しながら、しばらくは芸能活動を続けていた。  なかでも最も収入につながったのが「スタンドインの仕事」だと朝日奈さんは言う。 「映画やテレビ、CMなどの撮影前に照明のバランスや俳優の立ち位置を確認するもので、キャストの代役を担う仕事でした。通常のエキストラや演劇・芝居の舞台出演よりもギャラも1.5〜2倍くらい違うので、モチベーションにもつながったんです。また、モブのようにほんの一瞬だけの出演ではなく、丸々一本ぶん自分の撮影ができるのも、とてもやりがいに感じていました」
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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