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初代『レイトン教授』がヒットした3つの理由。完全新作発表にSNSで歓喜の声が続々

初代『レイトン教授と不思議な町』ヒットの理由

レイトン教授と不思議な町

ニンテンドーDS版『レイトン教授と不思議な町』公式サイト

 では、なぜ『レイトン教授』はこれほどまでに幅広いユーザーの心をつかんだのでしょうか?

(1)メインの謎解きの質の高さ

 メインとも言える「ナゾ」は、1966年発売以来、シリーズ累計1200万部のベストセラー『頭の体操』の多湖輝さんの監修。天秤を使った問題や川渡りパズルといった古典的なものから、答えを聞いたら脱力してしまうようなひっかけ問題、図形を使った本格的なパズルなど、バラエティ豊かな「ナゾ」がゲーム本編中に100問以上詰まっていました。  正誤判定の「ナゾ解明!」の演出や、メダルを使うと表示されるヒントといったゲームならではの機能が『頭の体操』をよりカジュアルにし、また、タッチペンを利用した問題も新味たっぷりでした。この粒ぞろいの「ナゾ」が、『レイトン教授』シリーズを支えたのは間違いないでしょう。  残念ながら、多湖輝さんは2016年に逝去しています。今回の新作の「ナゾ」監修は誰になるのか(『レイトン ミステリージャーニー』では「ゴースト暗算」の岩波邦明さんが担当)。「ひらめき王子」こと松丸亮吾さんや東大発の知識集団「QuizKnock」を期待する声も上がっていますが、はたしてどうなるでしょう?

(2)作品性のある壮大なストーリー

 初代『レイトン教授と不思議な町』では、亡くなった大富豪の遺産分配にからんだ調査依頼を受けた考古学者のレイトン教授が、助手のルークとともに家宝「黄金の果実」が隠された町へ向かいます。しかしこの町には、意外な秘密が隠されていました……。  脳トレの連続を和らげるための味付けという役割を超えて、ストーリーは町や世界の秘密に迫る壮大なもの。第2作『レイトン教授と悪魔の箱』、第3作『レイトン教授と最後の時間旅行』のどんでん返しも見事でした。  最初は各所で出題される問題(「ナゾ」)を解いていくのがプレイヤーのメインの楽しみですが、次第にその世界観とストーリーに没入し、中盤以降は物語の先が知りたいから「ナゾ」を解くという心理になっていくのが『レイトン教授』にハマる理由。小さな「ナゾ」をコツコツ解くことが世界の大きな秘密への扉を開くという構成はエレガントです。  一般的にこうした脳トレの集合体では、館を脱出するなど手頃な規模のストーリーにまとまることが多いですが、その常識を打ち破るスケール感が『レイトン教授』の作品としての凄みではないでしょうか。
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『レイトン教授』復活で今後の展開は?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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