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職場に“老害社員”が急増中!? 50代以上の社員が慕われない理由とは――大反響トップ10

50代以上の会社員もある意味被害者

老害社員「年下社員から大して尊敬されず、お荷物扱いされがちな50代以上の会社員もある意味では被害者。彼らだって若い頃は上司に不満を抱いていたでしょうが『今我慢して会社に貢献すれば、自分もいずれ同じ立場になれる』と我慢できた。いわば、終身雇用と年功序列が担保された日本特有の“待遇後払い制度”で働いてきた世代です。  しかし、いざ自分たちが年を重ねると、IT技術の進化や価値観の変化によって、今までやってきた仕事のやり方が通用しなくなるばかり。年功序列も以前ほど幅が利かなくなり、後払いだったはずの待遇も得られずじまい。ただただ下の世代から『老害だ』とネガティブな印象を抱かれがちな存在になってしまっていると言えます」  そう分析するのは、組織開発専門家の沢渡あまね氏。他者から受け入れられず孤独感を募らせると老害化に拍車がかかる一方だ。こうした“負の老害スパイラル”が日本の職場に蔓延していることが一番の問題なのかもしれない。  一方、Q2では「仕事の知識・スキルが豊富」と答えた人が19.9%、「指示・指導が的確」と答えた人が14.2%と、長年培った経験や知識、判断力が20~40代から一定の評価を受けてもいるようだ。

年齢や好き嫌いで老害認定するのはNG

「今の時代、何かと老害のレッテルを貼られがちな50代以上の会社員ですが、年齢のぶんだけ経験が豊富であるというのはゆるぎない事実。マネジメントでは嫌われても冷徹なジャッジを下さないといけないケースが多々あり、相手の年齢や好き嫌いの感情論で頭ごなしに上司や同僚を老害と決めつけるのは、自分の成長や知見を広げるチャンスを摘むことになりかねません」  そう語るのは働き方評論家の常見陽平氏。年齢や好き嫌いで老害認定するのではなく、年配社員と関わるのも成長のチャンスと捉えることも重要だ。 【老害(ろうがい)】とは…… 組織や社会で幅を利かせすぎて言動が疎まれる高齢者、また、傍若無人な振る舞いによって他人に必要以上の負担や迷惑をかけている高齢者などを指す表現
沢渡あまね

沢渡あまね氏

【組織開発専門家・沢渡あまね氏】 350以上の企業、自治体、官公庁で組織変革、マネジメント変革の支援・講演・執筆を行う。近著に『新時代を生き抜く越境思考』
常見陽平

常見陽平氏

【働き方評論家・常見陽平氏】 千葉商科大学国際教養学部准教授、働き方評論家。専攻は労働社会学。『「働き方改革」の不都合な真実』(共著)など著書多数 取材・文/週刊SPA!編集部
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