更新日:2023年03月05日 21:21
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“大地震で死者5万人超”。トルコ出身芸人が語る「我が国は姉歯大国」

ツイッターで寄附の呼びかけをしたことも

――デミルさん自身もツイッターで寄附の呼びかけをしていましたね。 デミル:今は日本にいるためツイッターで少しだけ力になれればと寄附を呼びかけさせてもらいました。僕は芸人のかたわら会社員もしているのですが、同僚の方がたくさん寄付をしてくれて、大変な借りができたと思っています。優しい言葉をかけてくださった芸人の仲間もたくさんいました。 ――震源地はトルコ南東部のカフラマンマラシュ県パザルジュク市です。どのような地域でしょうか? デミル:シリアとの国境沿いで、観光地というよりは、ちょっと田舎で、それほど産業も活発な印象はありません。僕が生まれたのはイスタンブールなので、あのあたりに行ったこともないです。トルコって地域によっては、もう異国と思えるくらい街の発展や文化が変わっていて、民族とか宗教も多種多様です。イスラム教が多いですが、実は自分はもうイスラム教徒をやめてしまいました。理由は日本のチャーシューが好きすぎるから(苦笑)。

トルコ国民は過去の地震から学ぶべきだった

デミル――そもそもトルコって地震が多い国なんですか。 デミル:日本ほどではないですが、すごく多いです。1999年にもM7.6のイズミット大地震(トルコ・コジャエリ地震)が発生して、1万7000人もの死者が出ました。トルコは4つの岩盤(プレート)がひしめき合っていて、今回の地震は大きな揺れが2度あったのですが、いずれもその断層が震源でした。国民は過去の地震から学んで、もっと防災意識を持つ必要があったと今さらながら思います。 ――どういうことでしょう? デミル:日本では1978年の宮城県沖地震を見受け、1981年に「新耐震基準」ができたと聞いております。それ以降建てられた建物はかなり頑丈になったわけです。そして年月が経ち2011年に東日本大震災(M9)が起きて甚大な被害がありましたよね? トルコの地震はそれよりもマグニチュードは低かったですし、津波の被害も起きていないのに、2倍以上の死者数が出ている。原因はトルコが汚職だらけの「姉歯大国」だから。
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「トルコは姉歯大国」の真意
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平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています

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