更新日:2023年03月05日 21:24
エンタメ

“トルコの東大”卒のトルコ出身お笑い芸人「憧れの存在はバカリズム」

コンビ名の由来はトルコの神話「不死身の水」

デミル

不死身のレモン水の2人。デミルさんと、おんぷさん

――どちらかというと傷つきやすいタイプなんですか? デミル:基本的に人に迷惑かけるぐらいだったら何もしないほうがいいと思うタイプなのですね。すぐ傷ついてしまうタイプなので、わりと優しくしてほしいですね。どっちかというと根暗なのかもしれません。もちろん、場合によっては普通に怒ることもありますけど、いわゆる大ゲンカもしないですね。今も30歳ですけど、20代前半の子ってちょっと何かあるとケンカしたがるというか。 ――コンビ名の「不死身のレモン水」ってどういう由来なんですか? デミル:これは相方に聞くのと、僕のとで答えが違うかもしれませんが、僕にとっては人間のくだらないこだわりを意味しています。もともとお互いに言葉を出し合って、それをくっつけて、今までになかったコンビ名を出そうっていう話を新宿ハルクの隣の「ピース」という全席喫煙席の喫茶店でしていたんですが、そこの店員さんが水を飲み切ったらすぐに注ぎ足してくれるんですよ。その水の中にレモンのスライスが入っているのを見て、相方が「不死身のレモン水ください」って言ったんです。  トルコの神話で「不死身の水」っていう概念があって、それを飲んだら不死身になるっていう。なのに、それにレモンを入れてちょっと味を出そうとしている人がいるという絵が見えたんです。そういうくだらない部分が、僕の人生を表していると思って、すごく刺さったんです。本当にくだらないこだわりで、ちょっとポイントのずれたことをずっとやり続けて、空回りしてばかりの人生だったので。相方はそんなこと思ってないかもしれませんが、僕にはそこが引っかかったという。

憧れの存在「バカリズム」「街裏ぴんく」

デミル――日本の芸人さんで好きな方はいますか? デミル:最初に僕がピンでやろうとしたのは「次のバカリズム」さんになりたかったからです。1人コントの世界観で、いろんな人を引き込みたいなって。ただ、バカリズムさんは老若男女どんな役にも見えるからこその強さがある一方、僕はこんな見た目なので。僕の中での表現とお客様が見たときの認識のズレが大きすぎたので、あきらめました。  あとは漫談家の街裏ぴんくさんもすごく好きで、本当に偶然ですけど、一時期僕も「ファンタジー漫談」みたいなことをやっていて。夜中に歩いていたら口裂け女に話しかけられて、でも口裂け女っていう概念をまだ知らないから、逆ナンして、ホテルに連れて行ってしまうみたいな。  それは、最終的に、口裂け女がインフルエンサーになってしまう話ですが、あたかも本当にあったかのようにしゃべるんです。街裏ぴんくさんは1回だけお会いしたことありますが、本当にもう震えて、震えて、話せなかったです。すごく本当にリスペクトしてます。
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相方は伊能忠敬の子孫
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平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています

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