更新日:2023年03月05日 21:24
エンタメ

“トルコの東大”卒のトルコ出身お笑い芸人「憧れの存在はバカリズム」

相方は伊能忠敬の子孫

――コンビ組んでからお世話になってる先輩芸人さんとかいますか? デミル:いま一番お世話になってる先輩は、ワニマルタイキさん。事務所の先輩の「おせつときょうた」さんの一番弟子の方です。ただ、芸名をコロコロ変えるので、今どうなってるんだろう……(スマホで調べて)ああ、大丈夫です、あってました! ネタライブをたくさん主催されているので、それきっかけで街裏ぴんくさんともお会いさせてもらったりしました。あとはネタについても結構細かく教えていただいてますね。 ――ネタはどうやって決まっていくんですか? デミル:タイキさんや事務所の方にも言われたのが、お客様が見ていて疑問が残ると、笑ってもらえないということ。結局この人って何なんっていう。それを解消するためには自分の素性をしっかり説明したうえで、ボケて、ツッコんでいく必要がある。例えば、僕は「トルコの東大」と呼ばれるいい大学出てるんですけど、相方は伊能忠敬の子孫なんですよ。これ本当なんですけど、お前のほうがすごいやん!ってなりますよね。それで、いろんなものに対して「僕のほうがじゃないほうだ」っていうのを出し合って、自己紹介していくネタを今はやっています。

4年ぶりに帰国したらトルコ料理で下痢

デミル――なるほど。面白そうですね。 デミル:ただ、正直ちょっと生意気なことですけど、僕自身はあんまり文化大使みたいなことはやりたくなくて。「トルコ人と日本人の違いをいっぱい説明します」ってTikTokerがやるようなことじゃないですか。でも、周りからは「絶対、今のネタがいい」と言われて、それも納得できるんですけど、いまだに変なこだわりというか、もっとセンスで褒められたいという気持ちはあります(笑)。 ――トルコに帰りたいという気持ちはありますか? デミル:実はこの年末、30歳をトルコで迎えようと4年ぶりに帰国したんです。そしたら、トルコの食事でめちゃくちゃ腹を下してしまって、おまけにコンビ揃ってのテレビ出演を逃しちゃうし、散々だったんです。前にも言いましたが、今のトルコの政治下では僕はどうせ考え方の合わないマイノリティなので、それならきれいな大都会がある日本のような先進国でマイノリティになりたいと思います。なので、お笑いをもっと頑張って、日本でもっと活躍したいですね。 【前編】⇒<“大地震で死者5万人超”。トルコ出身芸人が語る「我が国は姉歯大国」> <取材・文/シルバー井荻 撮影/スギゾー> 【不死身のレモン水 デミル】 1993年1月1日、トルコ・イスタンブル生まれ。2022年7月、日本人の相方おんぷと「不死身のレモン水」を結成。特技は、鼻で吸ったシーシャの煙で輪っかを作ること、三ヵ国語で通訳、圧倒的なゲラ、ゲテモノ食いなど。 Twitter:@demirhanjp Instagram:@demirhan.jp
平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています
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