“昆虫食”は救世主か、それとも…「未来のために」という考え方がはらむ危険性
背景にある思想的なムーブメント
その背景には、ある思想的なムーブメントがあります。Effective Altruism(効果的利他主義)、Longtermism(長期主義)と呼ばれる哲学です。
弱冠35歳、スコットランドの哲学者、ウィリアム・マッカスキルによって提唱され、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾス、そしてイーロン・マスクといった大富豪たちが支持しています。地球規模の課題に対する解決策を探求し、そのために巨額の投資をうながしていく活動の根拠となっています。
ざっくり言うと、いま生きている80億人の心配よりも何百年も先に生きているであろう何兆もの人類のために良いことをしましょう、というもの。たとえば、地球ではまかないきれないので火星でも人が住めるようにしようとか、新型コロナのワクチンがより広範に行き渡るために自由な市場で売買できるようにしようとか。
「未来のために…」という考え方がはらむ危険性
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