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“昆虫食”は救世主か、それとも…「未来のために」という考え方がはらむ危険性

 コオロギ食が議論を呼んでいます。きっかけは徳島県の県立高校でコオロギパウダーを使った給食を希望する生徒に試食させたことでした。一部ネットニュースが2月28日に報じたところ、“そんなものを子供に食べさせるな”と学校にクレームの電話が殺到したのです。

「コオロギ粉末給食」から広がった波紋

昆虫食

写真はイメージです(以下同)

 各界の著名人も反応しました。中川翔子は3月1日に自身のツイッターで、<コオロギとか絶対食べません>とツイート。翌2日には『スッキリ』(日本テレビ)でも取り上げ、MCの加藤浩次、パネリストのモーリー・ロバートソン、坂口孝則らがそれぞれ賛成、反対の立場から激論を交わしました。  3日には堀江貴文氏が自身のYouTubeチャンネルで「コオロギ食に正義なんか何一つ1ミリもないです」とバッサリ。コオロギ食を推進するベンチャー企業は「社会的に全く価値がない」とまで断言しています。  そして3人の子を持つ母親の小倉優子も、4日放送の『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)で、国が主導することによって「なんか利権が絡んでるとか、そういうのが言われてるから、そっちが気になっちゃいます」と語り、疑いの目を向けているようでした。

ネットではコオロギ食への批判、不買運動も

 輪をかけて熱くなっているのが一般のネットユーザーです。河野太郎デジタル大臣が昨年のイベントでコオロギ食を試食した画像が拡散されたり、敷島製パン(Pasco)が2020年12月から展開しているコオロギパウダー入りの商品をやり玉にあげたりして、批判や不買運動が起こってしまいました。 “牛乳を捨てているのにコオロギを食べさせるとは何事か!”といった内容の怒りがほとんどですが、なかには陰謀論めいた説とリンクさせて徹底抗戦する人たちもいて、展開次第ではさらにヒートアップしそうな雰囲気です。  とにもかくにも、にわかに脚光を浴びたコオロギ食。論点を明確にするために、おおまかな流れを整理しておきたいと思います。
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日本の人口は減少傾向でも、世界的には増加し続けている
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