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パチンコ店の広告規制緩和で‟晒し屋”は排除される? 規則改正に至るまでの背景を解説

広告規制改正も「出ます、出します、取らせます」はダメ

 
パチンコ

写真はイメージです

 広告規制改正も「出ます、出します、取らせます」はダメ。年も押し迫った昨年の12月23日、多くのホールがクリスマス時期からの年末年始営業(=回収)体制に入る頃、行政から「ぱちんこ営業における広告及び宣伝の取り扱いについて」という通達が発出されました。この文章が実際に行政のホームページにアップされたのは年明けになりましたが、多くのホール関係者の気持ちをざわつかせる内容だったため、年明けに複数の店長と話をした際には開口一番、この話題が出てくるという感じでした。    そもそもホールにおける広告宣伝は風営法の理念に基づき、「風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない(風営法第16条)」とされています。そのうえで行政は「広告及び宣伝の内容が、著しく射幸心をそそるおそれのある行為が行われていること又は風営法違反の疑いのある行為を行っていることをうかがわせる場合、同条による規制の対象となる」としており、簡単に言うとしたら「射幸心を煽るような広告宣伝はダメ」というのが大前提になっています。    それでも実質的なギャンブルであり、射幸心を煽ってナンボと言えるのがパチンコ・パチスロ。一番効果的な広告宣伝文句になるのは、そのものずばりの「出ます、出します、取らせます」的なもの。    まあ、昔からのファン、特にこの言葉が店内のマイク煽りの決まり文句であり風物詩であった頃を知っている人なら眉唾に聞き流してしまいますが、射幸心を煽るからまかりならんと言われたらそれはそうだなと納得せざるを得ません。

射幸心を煽れば客が来たパチスロ4号機時代

   ただこんな眉唾を軽くスルーできていた牧歌的な時代ならいざしらず、ホール間競争が熾烈になりつつ遊技機の性能もアップしていくと、いつしか客寄せイベントとして実際に出玉がちゃんと期待できるような時代に突入します。    パチスロで言うなら20年前、4号機の中盤頃からでしょうか。万枚、等価交換なら20万円という出玉が当たり前になり、しかも高設定ならほぼ確実に勝てる。そんな機種が揃っていて高設定が実際に入ることが期待できるイベントをホールが競い合っていたわけで、イベント前日にはまだ閉店前のホールに客が並ぶなんていう光景も珍しくはありませんでした。    もちろん期待外れのガセイベントも普通にありましたが、いずれにしてもホール側は地道に信用を積み上げなくても、射幸心を煽りさえすれば比較的簡単に集客できることを知ってしまったわけです。その結果、ホールの役職者の仕事はイベント立案がメインになり、さらに会社としてもイベントを全面に押し出していくことに。  ある大手チェーンではテレビで特定の数字をアピールするCMを大量出稿したり、また別の大手チェーンではそれぞれの店名に数字を付けて、その数字の日はアツいという刷り込みも行うほど。
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広告規制は東日本大震災が引き金に……
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