更新日:2023年03月29日 15:34
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パチンコ店の広告規制緩和で‟晒し屋”は排除される? 規則改正に至るまでの背景を解説

広告規制は東日本大震災が引き金に……

パチンコ

4万発を超えるドル箱タワー。イベント規制緩和で、ドル箱が積み上がる店が増えるのだろうか

 そんなイベント全盛時代に水を差したのが2011年の東日本大震災、そして当時の東京都知事の発言に端を発したパチンコバッシングでした。行政というものは世論に対して極めて敏感に反応するもので、2011年の6月には、「ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等について」という通達を発出します。  この通達の最初の部分に書いてあるのが、前述の射幸心を煽ったらダメという趣旨の文言で、「営業競争の激化を背景に、隠語を用いて巧妙に規制から逃れようとするなど表現方法の悪質化が進み、依然として善良の風俗及び清浄な風俗環境を害するおそれのある広告、宣伝等がまん延している状況にある」とホールの広告宣伝を断罪しています。  そして具体的に違法となりえる広告宣伝の実例を列記しつつ、最後には各都道府県警に「厳正な指導及び取締りを推進されたい」と結んでいます。    これを受けて業界団体では何が駄目で何ができるのかを記したガイドラインを行政と相談しつつ作成、そしてイベント頼みの営業が表立っては禁止となりました。

ホールが規制の抜け道を探った結果……

   ただ通達やガイドラインは事実なら問題ないという表現があり、何かしらやらないと集客できないという危機感……というか、長らくのイベント頼みでしか集客できなくなっていたわけですから、ホール側はその部分を抜け道としてこれまでどおりの広告宣伝を模索します。    そして新台入替なら堂々とチラシを撒けるからと入れ替えペースが急増、また有名人の来店も事実であるからとギャラの高い芸能人を呼んでみたり。もっと安く呼べると同時にファンとの親和性も高いパチンコ・パチスロライターの来店営業も急増しました。ちなみにライターではない人もライターと呼ばれるようになったのもこの頃からですね。
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緩和を受けて出玉情報を出すホールも登場
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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