一学期もたず突然の退職。「不登校になった新任教師」が招いた混乱
春は就職シーズン。文部科学省によると、21年度の大学卒業生の就職内定率は96%。これに対して厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況』によると、大卒者の就職1年目の離職率は12.2%とおよそ8人に1人が会社を辞めている。
一方、民間企業に比べると離職率が低いのが学校教員。例えば、公立学校だと1年目の新任教師でも例年1%前後で推移している。
仕事量の多さなどからブラック職種に挙げられる割には思いのほか低いが、なかにはやはり耐えきれずに辞めてしまう者も。青柳啓人さん(仮名・38歳)が勤める私立高校でも今から4年前、大学を卒業したばかりのA先生がわずか数か月で辞めてしまったという。
「私とは担当教科も違い、職員室の席も離れていたので接点はほとんどありません。けど、彼はクラス担任でもなければ部活動の顧問もしていなかった。第一、新任の先生でしたから周りの教師たちがフォローしていたし、仕事量も1年目だから我々に比べれば少なかったはずなんですけどね。現にほぼ毎日、夕方5時過ぎには帰っていましたから」
最初は新人らしくはつらつとしていたが、半月もすると口数も少なくなり、沈んだ表情をするようになったとか。教職員の間でも心配する声が上がっていたが、A先生は周りに「大丈夫です」と答えるばかり。指導教員を務めていた40代の男性教諭に対しても同様でアドバイスを求めることもほとんどなかったそうだ。
公立の新任教師の離職率は1%前後
1年目だから仕事量は少なかった?
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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