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アメリカの2つの銀行が破綻…世界の金融市場が揺れる今「投資すべき個別株」をプロが厳選

いま狙うべき2つの銘柄

セリア 2782

セリア(2782) 株価2594円(3月23日時点の終値)

 私が、この数週間の不安定な株式相場の中で新たに投資を始めた株式銘柄を紹介したい。  ひとつは、100円ショップで業界2位のセリア(東京スタンダード 2782)。  業界1位のダイソーは非上場であること、セリアは100円ショップの中では、商品管理、セルフレジなどを導入し、現代の企業ならではの経営にいち早く取り組んでいる。  コロナの巣ごもり需要の特需が終わり業績は後退し、株価が大きく下がっている。インフレなどで生活が追い込まれている世帯からの支持は特に強く、また、今後の外国人旅行者の復活も追い風になるはずである。  コロナ特需の2020年には5000円台もあった株価は、2022年には2100円近くまで下がることもあった。今年に入り3000円まで持ち直した後、再び下がり、私は2550円ほどで投資を始めた。今の所、さらに株価が下がるようなことがあれば、買い下がっていく予定。配当利回りは約2.7%

インフレに強い不動産株で狙うべきは?

三菱地所 8802

三菱地所(8802)株価1553円(3月23日時点の終値)

 もう一つは、金融株、商社株ばかりに注目が集まるなかで、下げたまま上がっていない三菱地所(8802)だ。  業績は決して悪いわけではなく、世界的なカネ余りの状態で、不動産にも資金は流入している。東京中心部での開発だけでなく、国外での大型案件もある。  不動産はインフレにも強い。PBRも今やほぼ1、配当利回りは約2.4%。約1600円で投資を始めたが、さらに下がっており、3月23日現在、年初来安値圏にあるので、さらに買い下がっていく予定だ。  今後の市場はどうなるだろうか?  インフレ、金融不安、ポストコロナの経済環境など、さまざまな不安定要素がある。  セリアは、単位株購入に必要な資金は25万~26万円。三菱地所は16万円ほど。  底値圏にあるとしても、今後さらに下がる可能性も十分ある。買い下がっていく資金を用意して始めるのが有効だ。それでこそ、先に書いたように、株価が戻した後に利益を確保していくとき、堅実に投資をクロージングできるからだ。  もしも、当局が金融システムの安定に失敗するなどで、株価が大きく下げることがあったらどうしたらいいか。もしも、日経平均が2万円以下に下がるような市場環境になれば、日経平均やTOPIXなどのインデックスファンドを買い下がっていく予定だ。これは初心者の投資家にとっても銘柄選びの難しさから解放されるし、賢い方法だ。 ※株式投資はご自分の判断と責任に基づいておこなってください。 <文/佐藤治彦 チャート/googleファイナンス>
経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko
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