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今年こそ「青葉賞馬制覇の悲願」は叶うのか。スキルヴィングが日本ダービーで超えなくてはいけない壁

後の最強馬もあと一歩及ばず

競馬

2017年にはレイデオロでダービーを初制覇。ルメール騎手の手綱捌きにも注目 
写真/橋本健

 21世紀になると、それまでG3だった青葉賞がG2に昇格し、賞金も増額。トライアルレースとしての存在感を高め、皐月賞に間に合わなかった素質馬がより多く出走するようになります。  G2昇格2年目となる2002年、青葉賞組からシンボリクリスエスが誕生します。後に天皇賞(秋)と有馬記念の連覇を成し遂げ現役最強馬となり、種牡馬や母父としても多くのG1馬を送り続ける名馬です。  しかし、そのシンボリクリスエスもダービーでは無念の2着。武豊騎手騎乗のタニノギムレットに1馬身及びませんでした。翌2003年にはシンボリクリスエスと同じ藤沢和厩舎のゼンノロブロイが青葉賞を制して本番へと駒を進めますが、またしても2着。ネオユニヴァースに半馬身及びませんでした。  その後も2004年にハイアーゲームが見せ場を作るものの、キングカメハメハ&ハーツクライという歴史的名馬2頭の後塵を拝するなど、しばしば好走する馬が出現するもなかなか勝ち切れず。2010年にはペルーサが無敗で、しかも4馬身差の圧勝で青葉賞を制したものの、本番では反動が出たのか6着と惨敗。いよいよ青葉賞組は日本ダービーを勝てない、というのが定説になっていきました。

青葉賞史上もっとも勝利に近づいたフェノーメノ

 そんななかで2012年、もっとも日本ダービー勝利に近づいた青葉賞馬が現れます。その馬はフェノーメノ。古馬になり天皇賞(春)を連覇した名馬ですが、ダービーでは5番人気の低評価を覆す激走を見せます。道中は中団で運ぶと、直線外から鋭く伸びて、最後はインで粘るディープブリランテに襲いかかります。  しかし、ハナ差及ばず2着。蛯名騎手の悲願のダービー制覇ならず……が話題となったレースでしたが、同時に青葉賞組の悲願達成もわずかに叶わなかったレースでもあったのです。  そして、フェノーメノの激走から11年。2017年にはアドミラブルが1番人気の支持を集めるも3着に敗れるなど、未だに青葉賞組は日本ダービーを勝てずにいます。いつしか「青葉賞組は2着まで」というのが、日本ダービーにおけるお決まりの話題となっています。
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