仕事

田舎者にとって、年収がアップする転職など「幻」でしかない/猫山課長

田舎での年収を上げる転職は、ほぼ「幻」

 今の自分の扱いに不満を持ち、正当な評価を得るために転職をする。珍しくない話だ。  近年は転職に対するハードルが下がっている。転職サイトは数多くあるし、一つの会社に最後まで勤め上げるといった価値観も急速に陳腐化しているように感じる。実際に、ウチの会社も若手が大量に辞めていくし、地域の同業他社も同じことを言っている。  そして、みんな転職に成功している。田舎は人不足だから、20~30代なんて「金の卵」扱いだ。田舎であっても、いや、田舎だからこそ、転職自体は簡単にできてしまう。  でも、大幅に年収アップしたという話は聞かない。田舎で年収が大幅にアップする転職はほとんど幻だ。田舎には大企業がない。中小企業、というか実質的には小零細企業ばかりで、転職で給料大幅アップが狙える会社などない。  SNSを見ていると、「現状に不満があって転職しない奴は馬鹿」「転職で年収アップは簡単にできる」といった投稿をよく目にする。  本当かよ? 田舎で暮らす人間からすれば、転職して年収100万アップだの200万アップなんて想像もできない。それこそパートから正社員への登用くらいしか考えられない。  転職で簡単に年収が大幅に上がるなんて、どこの世界の話なんだ? 都会なら、それって簡単な話のか?
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会社を去りゆくエースが見せた表情
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金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager

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