日本人のソファは小さすぎる。つい背もたれに使ってしまう「ソファ選びの間違い」とは
今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに一般視聴者の心をつかみまくっている。
そんな押村は、「日本人のソファ選びはまちがっている」と断言する。多くの日本人にとってソファとは、上着をかけ洗濯物を置き、リビングに雑然とした雰囲気を醸し出す家具だ。なぜ、日本人はソファをうまく使えないのか。どう選べば、本来の目的であるゆっくりリラックスする家具にすることができるのか。ソファ難民たちのために明快な答えを弾き出す。
「ソファをうまく使えない理由は簡単で、居心地が悪いからです。本来、くつろぐために使うのであれば、最初にこだわるべきは大きさ。とにかく、なるべく大きなソファを購入すべきです。日本の住宅事情を考慮しても、幅は最低でも2m40㎝はほしい。奥行きも1mは必要です。形はカウチソファであればベスト」
カウチソファとは、足を伸ばせしたり寝転がったりできるタイプのソファのこと。ソファの一人分の場所だけ、長く伸びているパターンをよく見かける。とはいえ、大きいソファが置きにくい部屋の場合はどうすればいいのか。
「そうしたリビングは、ソファがアイランド型に配置してあるケースが多い。つまり、真上から見たとき、リビングの中央に浮かんだ状態になっているわけです。これだとスペースが有効活用できない。ソファは必ずどこかの壁につけることが鉄則です。さらに配置でいうなら、動線がどうなっているかも考えるべき。自分がソファでリラックスしているときに、ここを通られたらイヤだなとか、反対からドアを開かれたらうるさいなとか。実際の生活をイメージして配置していないから、結局使わない置物になってしまう」
ソファのうえがリラックスできて気持ちいいと思いながら暮らす生活と、座りにくい、使いにくいとぼんやり感じながら耐える生活、「どれだけ違うと思いますか?」と押村は問いかける。確かに、寿命にも影響しそうだ。
日本人のソファは幅と奥行きが小さすぎる
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(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』
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『美しい家のつくりかた』 1000軒の家を建ててわかったこと |
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