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「パチンコ業界の衰退」が浮き彫りになったG7広島サミット

形式的な検査であっても警察にはかなりの負担に

パチンコ台 チェックといっても書類と数字を照らし合わせるのがほとんどで、ときに違反がないかクギまで細かく調べる人もいたりしますが、そういう熱心な担当官はごく僅か。あくまで事務的に書類や数字を見て、よほどのことがない限り問題なしで終わります。ただ形式的な検査であっても、時間と手間をとられてしまうのは事実。さらに新台入替のタイミングはどのホールも同じタイミングとなるだけに、複数のホールをまわってってとなるとそれなりの負担になるのは想像に難くありません。  また昔話になりますが、おおらかだった時代には、検査にまわればタバコの差し入れが1箱ではなく1カートンあったり……、さらには「明日は非番なんだよね~」とそれとなく伝えるとホール側が出る台をこっそり教えてくれるなんていうこともあったりしたそうですが、今はそんな時代ではないからこそ担当官は余計に面倒臭かったりするのかなと邪推してしまいます。  そのような行政に対して手間を取らせる新台入替、サミットなど国際的イベントがある場合には業界として忖度すべきものであるのか、これまでには入れ替え自粛という自主的措置が取られてきました。画像の文章は前回の伊勢志摩サミットの際にホール団体から発出されたものですが、サミット前後の期間において「治安維持活動に問題が生じないよう、警察業務の負担軽減に協力するため」との理由が書かれています。

新台入替の自粛はあくまでもホール団体の自主的措置

 当時のホール団体関係者に話を聞いたところ、新台入替の自粛は行政側からそれとなく要請されたとのことですが、決定したのはホール団体側であり、あくまで自主的措置という形になっています。またこれはサミットが開催される地域だけではなく、全国的に行われたものであります。警備に動員される警察官が全国から集められると考えればそれも当然ですが、遠く離れた地域では「ウチは関係ないのに」なんていうホール側の愚痴も聞かれたそう。  新台でしか客を呼べない昨今、入れ替えができなくなれば確実に客数が減るからこその文句なのでしょうが、こういうことは足並みを揃えてこそ。日頃は足並みが全く揃わない、自分の店だけよければ……が横行している業界ですが、さすがにこのような国家的威信をかけた場合では、逸脱したホールはほぼ皆無だったと記憶しています。
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今回のサミットでは広島ですら新台入替の自粛はなし
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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