更新日:2023年06月16日 17:21
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「中学生の水着写真」を堂々と投稿…“表現の自由”を声高に叫ぶ人たちの正体

 6月8日、埼玉県内の県営プールで、6月に開催予定だった水着撮影会の主催者に指定管理者の「埼玉県公園緑地協会」が中止を要請した問題。埼玉県の大野元裕知事は許可条件に違反していない主催者にも一律に中止を要請したことは適切でないとして、中止要請は撤回されることとなった。これでいったん区切りがついたかにみえる問題だが、いまだ見過ごされている点は多い。

問題の時系列を整理してみる

 まずは、どこのメディアもちゃんと書いていないので、問題の時系列を整理してみよう。もっとも情報が錯綜しているのは、公園を管理する「埼玉県公園緑地協会」が中止を要請するに至った経緯だ。  Twitterなどでは「日本共産党の申し入れが原因」であることを強くする主張があちこちにみられる。根拠は、6月6日に、日本共産党埼玉県議会議員団がおこなった「埼玉県営公園で女性の水着撮影会が行われます。未成年も出演するという情報については調査中です。城下のり子・伊藤はつみ・山﨑すなお県議は、本日、都市公園法第1条に反するとして、貸し出しを禁止するよう県に申し入れました」というツイートだ。  果たして、申し入れからわずか2日で中止要請というのはあり得るのだろうか。公園を管理する埼玉県公園スポーツ課を訪問し話を聞いたところ、言葉を選びながらも申し入れが原因という風聞を否定した。

4月以降に開催された撮影会で「許可条件違反があった」

 取材をもとにした問題の時系列はこうだ。  昨年12月に、越谷市のしらこばと水上公園では撮影会に対して許可条件を策定。この許可条件は、今年2月、各主催者からの申込みに対する日程調整を行った際に、各主催者に手渡されている。その後4月以降に開催された撮影会のうち2件で、許可条件違反があった。それを受けて、6月8日に埼玉県公園緑地協会は、すべての主催者に対して中止を要請したという流れだ。 「6月に開催予定の主催者のうち、しらこばと水上公園で行われる予定の2件が4月以降に許可条件違反があった主催者でした」(県の担当者、以下同)  この主催者に配布されている許可条件というものはかなり詳細に禁止項目を記したものだ。そこには次のような内容が書かれている。 ・マイクロビキニNG ・ニプレスやインナーだけの着用はNG ・貝殻ビキニNG ・服を着ていないようにみえるものはNG ・衣装をずらす、足を大開脚するポーズはNG
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中止要請と共産党の申し入れは無関係
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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