更新日:2023年06月16日 17:21
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「中学生の水着写真」を堂々と投稿…“表現の自由”を声高に叫ぶ人たちの正体

一人歩きする「表現の自由の侵害」

 もっとも気になるのは撮影会中止に対して「表現の自由の侵害」という言葉遊びが一人歩きしていることだ。児童ポルノ法は1999年に成立して以来、幾度も改正をめぐる攻防が続いた法律だ。問題となったのは大きく2点。  マンガやアニメなどの創作物を児童ポルノに含むか否かと、所持そのものを禁止するか否かというものだ。前者は絵で描いたものは年齢が判断出来ず表現行為の萎縮に繋がるという観点から、後者は所持を禁止している諸外国で家族写真が児童ポルノとして逮捕される事例などが相次いでいたことから冤罪を助長するとして認めるべきではないとされてきた。  対して性的虐待の被害児童を保護する立場からは、より強力な法律が求められ長らく議論が続いた。ただ、いずれにしても共通していたのは、実写の児童ポルノは到底認められず、被写体となっている児童は最優先で保護される存在であるということであった。  このあたりの流れは2000年代以降『SPA!』本誌で何度も特集しており、筆者も執筆している。ところが、今回の撮影会をめぐる議論では、中学生など未成年のモデルが参加し被写体となっていることの問題が見過ごされていることが多い。この問題を見過ごして「表現の自由」を主張しても、単に自分が心地よいものを守りたいだけなのかと誹りを受けるのではないか。筆者は、その点を危惧している。 <取材・文/昼間たかし>
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』
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