仕事

密室でいじめを繰り返す、入社3年目の美人社員。入社1か月でやめた後輩が明かす“異様な正体”

パワハラへの対処を間違った?

 さらにもう1つの問題は、「入社3年目の女性の言動です」と大津氏は指摘する。 「例えば、新入社員の女性を会議室に呼び出し、激しく叱りつけるのはパワハラであり、問題視すべきです。なぜ、こういう行動をとったのか。この事例の情報だけでは正確に把握できませんが、新入社員の女性が仕事を覚えると、やがては自分を脅かす存在になると察したのかもしれません。  ハラスメントをする人の中には、仕事ができる人がいることも事実です。自分自身に求める仕事の水準が高いから、仕事のレベルが高くなる。それと同レベルを他人に求めることがあります。そのレベルに後輩や部下が達しないと、厳しく接することがありうるかと思います。  あるいは、パワハラをするような性格であるとか、自らの生活において何らかの課題を抱えており、ストレスがたまっているといった事情があるのかもしれません。しかし、会社は個々の社員の性格を変えることはできません。考えるべきは、新入社員が早々と辞めている、それも過去にも同じような形で退職者が数人いること。これらの事実に向き合うことです」

ブラザー・シスター制度の担当を外すべき

パワハラ このような状況があるならば総務課として本人はもちろん、関係者にヒアリングをすべきだろう。大津氏もその通りだと首肯する。 「その問題行動が事実ならば、ブラザー・シスター制度の担当を外すべきでしょう。『パワハラを止めるように』と注意指導を繰り返したうえでの結果や状況いかんでは、配置転換もしくは退職勧奨などを検討することも可能性としてはありえます。  総務課長が新入社員の側にも問題があったと見ているようですが、この姿勢は確かに問題です。しかし、上司に気を遣う受けのいい社員ということですので、その先入観から判断を誤ってしまったのかも知れません。  総務課長の問題は新入社員の言い分を3年目の女性にそのまま伝えたことであり、この判断は完全な誤りでした。そして退職に追い打ちをかけたのは、新入社員の女性を3年目の女性と同じ部署(倉庫)に正式に配属をしたことでしょう。総務課や会社が日頃からアンテナを張り、3年目の女性の言動に敏感であったならば、こういう配属はしなかったように思います」
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パワハラ社員をけん制する仕組み
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ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数
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