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「“バックレ”よりも安心感」年間1万件以上の相談、“退職代行”利用する新入社員のホンネ

退職代行サービスは“バックレ”よりも安心感がある

 会社に退職の意思を伝えない辞め方としては、“バックレる”という手段もある。無断で仕事を休み、何事もなかったかのように消える。  バックレることで、精神的苦痛からいっときは逃れることができるだろう。  しかし、「会社の元同僚と会いづらくなったり、最寄駅に行きづらくなったりと、不安な面が多く残るので、デメリットの方が大きい」と新野さんは説明する。 「退職代行サービスを使うメリットは、何よりも『安心感』があること。自分の代わりに退職代行のスタッフが会社と退職手続きを進めてくれるので、余計な煩わしさや後ろめたさを感じずに退職できます」  今後は「転職だけではなく、フリーランスや起業、留学など、退職者のサポートも手厚くしていきたい」と新野さんは意気込む。 「退職代行サービスを運営していることで、いわば日本中から数多くの退職理由が集まってくるわけです。こうした定性情報を生かし、法人向けに離職率を下げるコンサル事業を手がけてもいい。また、会社の心理的安全性を高めるひとつの方法として、退職代行サービスを福利厚生で提供する構想もあります。これからも事業を拡大していき、より多くの人が退職代行サービスを気兼ねなく使えるような社会を目指していきたい」  会社よりも自分の人生を大事にする。早期離職は決してネガティブなものではなく、新たな一歩を踏み出す選択肢に過ぎない。「転職したい」という思いがあるのであれば、その気持ちに素直になって行動してみるのがいいのではないだろうか。 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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