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効率よく求人を引き出せる、転職エージェントとの”賢い”付き合い方

 人生100年時代。「人生最後の職場を探そう」と、シニア転職に挑む50、60代が増えている。しかし、支援の現場ではシニア転職の成功事例だけでなく、失敗事例も目にする。シニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏が、シニア転職現場のリアルを紹介する。  今回は転職サービスの“裏側”の話。登録した転職エージェントが違うサービスを案内してきた場合、たらい回しだと拒否感を持つ人もいるが、実は大きなチャンスを秘めているかもしれない。

「シニアジョブ」代表の中島康恵氏

転職アドバイザーが他のサービスを案内してくるのは、なぜか?

 中高年に限らず、転職の際「エージェント」と呼ばれるサービスを利用する人も多いだろう。「人材紹介」とも呼ばれるサービスだが、サービス提供する会社の担当が求人企業との間に入って橋渡しをしてくれるなど、サポートが手厚く、慣れない人でも安心できる。  しかし、信頼してサポートをお願いしようと思っていた転職エージェントの担当者から、「違う転職支援サービス」を案内されたどう思うだろうか? 「もしかして、たらい回しにしようとしている?」 「なかなか就職が決まらないから追い出そうとしている?」  そう感じる人がいても不思議ではないが、しかし、待ってほしい。実はこうした別の転職支援サービスの案内は、特別珍しいことでもない。場合によってはお仕事探しをしている人にプラスになる可能性がある。

実は複数サービスを抱える転職支援会社が多い

 そもそも、転職エージェントとは多くの場合、人材紹介サービスを指す。正式な名称はは「有料職業紹介事業」で。エージェントを直訳すると、代理人や仲介人の意味もあり、その名の通り、求職者と求人企業の間を仲介する。  転職エージェントのメリットは求人企業との間に入って給与などの条件交渉を代わりにしてくれることだ。就職後のアフターフォローが手厚い転職エージェントも多い。キャリアアドバイザーなどと呼ばれる担当者がつき、気軽に相談できる安心感も魅力だ。  そんな相談相手でもある担当者が急に違う転職支援サービスを案内してきた。その裏にはどんな理由があるのか。  まず、そもそも転職エージェントのサービスを持つ会社は、自社内に他の転職支援サービスを持っていることが多い。  即ち、自社内の他サービスを勧めるのは、より適したサービスを案内したいからだ。  例えば業界大手であるリクルートやマイナビも、転職エージェントと転職サイトだけでなく、看護師や薬剤師に特化した転職支援サービスなど豊富なラインナップを揃えている。  業界職種を絞ったサービスがある場合、その業界職種内での転職希望者は当然そちらを利用したほうが転職を成功しやすくなる。  また、一般的に転職サイトのほうが転職エージェントに比べて数多くの職種や求人があって、自分のペースで応募できる。そのため、就職活動が長期化した場合や、転職エージェントにない職種を希望する場合は転職サイトを薦める場合がある。  私たちシニアジョブでも、転職エージェントの「シニアジョブエージェント」と転職サイトの「シニアジョブ」があり、転職サイトのほうが対応職種が幅広いため、エージェントで対応していない職種の求職者は転職サイトにご案内している。  なかにはどちらでも対応している職種でも、わざわざ転職サイトに登録し直し、そこで仕事を決めている中高年もいる。やはり、じっくり自分のペースで仕事を探したい人は、転職サイトを選ぶようだ。
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転職業界には会社を超えた協力のネットワークがある
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50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中

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