ある日、シフトに入っているのは日菜子さんと店長の二人だけで、店長はバックヤードの事務室で作業していたので、日菜子さんが一人でレジをさばいていたことがあったとか。 「レジが急に混んで5組ぐらい並んじゃったので、店長にもレジに入ってもらうために呼び出しボタンを押したんです。でも3回押しても店長は出てきてくれなかったので、私はワンオペでなんとか必死に行列を片付けたんですよ。店内にお客さんがいなくなって落ち着いたので、さすがに腹が立って文句言いに事務室に行ったんです。そしたら……」 　そこにいたのはひどく慌てた店長と、1時間前に退勤したはずの先輩フリーターのアラサー女性店員。 「二人は私に『どうしたの～？』なんて言いながら笑顔を作っていましたが、なぜか店長は息を切らしながらズボンのベルトを留めているし、先輩は服や髪が乱れてるし……。あきらかに“終わった直後”なんですよね（苦笑）。しかも、私は見逃さなかったんですよ。デスクの上に例の0.01ミリの空き箱があったんです。もう状況証拠が揃いまくってて、ドン引きしつつも笑っちゃいましたよ」