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ryuchellさん急逝…「SNSで誹謗中傷を繰り返す人」には共通点が

“少数なはずの書き込み”が多数派に見えてしまう理由

もちろん、こういった思考に至るのは全体のネット利用者の割合からすればごく少数ではありますが、同じ考えを持つ者同士がSNSやネットという手段を通して簡単に繋がりやすくなったこともあり、自分の意見を声高に主張するノイジーマイノリティーが世間の多数派に見えてしまう傾向があります。 ネット上で極端な意見ばかりが目立つのは、これらの要因に加え、バランスの取れた中庸意見は対極的な意見を持つ双方から攻撃されたり、そもそも投稿数が少ないためです。

ターゲットが有名人だと「削除対象となりにくい」

こうした誹謗中傷から利用者を守るため、どのような取り組みが行われているのでしょうか。 SNSやネット掲示板を運営するプラットフォーム(事業者)では、各社が定めたポリシーやガイドラインに沿って、AIと人の目による監視を組み合わせ、誹謗中傷だけでなく差別や犯罪行為を助長する投稿や性的な投稿など、問題のある投稿の削除やアカウントの凍結といった対策が行われています。 しかし誹謗中傷の場合、一定の知名度のある有名人をターゲットとした投稿は、公益性を伴う場合があるといった理由で、一般人や未成年に比べ保護されにくい、つまり削除対象となりにくい仕組みとなっています。 一部の海外のプラットフォームでは、悪意ある投稿をAIが瞬時に判断し、最初から非表示としたり投稿できないようにする機能も提供されつつありますが、まだ一般的ではありません。 また、昨今のGAFAをはじめとする世界的なIT業界の不況を受け、各社ではネット上のコンテンツ監視業務に掛かる人員や予算を削減する傾向にあり、リソース不足から対応が追い付いていないことに加え、一部のプラットフォームを除き、悪意のあるユーザーが複数のアカウントを作成し問題投稿を繰り返す行為を制限する仕組みは今のところ存在せず、結果としてそのような投稿が溢れてしまっているのが現状です。
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誹謗中傷から身を守るためには…
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在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理業務に従事。これまで数多くの問題投稿に向き合ってきた経験とメディアやコンサル業界で培った見識を活かし、ネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。一般社会人や中高生、教育関係者、芸能関係者等に特化した独自の研修プログラムを提供している。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有。
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