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女風呂やJKパンチラ…とある盗撮動画販売サイトが「2年半で10億円」売り上げても摘発されない驚愕理由

盗撮被害女性「私の動画は一生消えない」

『[鬼畜な盗撮犯]たちの正体』被害者の女性

盗撮被害に遭ったSさん。動画にはカメラを仕込んだ洗面用具の位置を調節する女の手が映っていたという

 実際に、盗撮動画販売サイトで自身の映像が売られていたという被害者のSさん(20代・女性)にコンタクトすることができた。「よりによってなんで私が……」と、絶望する日々の終わりはまだ訪れていない。 「盗撮動画販売サイトに売られていたのは私が温浴施設に入っているときのものでした。しっかり顔も裸も認識できて、モザイクもかかっていません。全然身に覚えがないことだったから、知ったときには血の気が引きました」  このまま野放しにするわけにはいかない。勇気を振り絞り警察に対応を求めに行ったが、調書を取る際、追い打ちをかけるような出来事があったという。 「被害届を出す際、警察の人と一緒に該当の動画を確認しなきゃいけないんですが、最初担当についたのは男性。『さすがに無理です』となって、女性の方に変更してもらったんですけど、『面倒くさいな』と言わんばかりの顔をされたのが忘れられません」

被害届を出すことさえ勇気がいる

 動画を確認する時間も、被害者にとってはストレスフルだ。 「『太ももの外側の位置にほくろがあるから私です』と、動画に映る人物が自分であることを証明するために、事細かに伝えなければいけないんです。動画が撮影された日を特定してほしいと言われましたが、そんなことわかりません。だから、被害届の作成にはすごく時間がかかる。流し見することなく、ところどころで一時停止して、じっくり自分の裸を警察の人と見なきゃいけません。かなりつらい工程でした」  被害届は受理されたものの、警察は犯人の特定すらできなかった。 「撮影罪が施行されるまでの、一連の報道で、そのサイトも閉鎖になりました。でも、長い時間販売され続けていたわけだから、動画のコピーを持っている人がいるわけじゃないですか。無料のサイトに転載されているかもしれません。『一件落着した』なんて、到底思えない。もし、職場の誰かが動画の存在を知っているかと思うと、心から笑って働くことができないです」  Sさんのように声を上げる人もいれば、盗撮されていたことがわかっていても声を上げられない被害者も当然、いる。どちらにしろ、待っているのは「耐え難い苦しみ」なのだ。
『[鬼畜な盗撮犯]たちの正体』竹輪氏

テレビディレクター・竹輪次郎氏

【テレビディレクター・竹輪次郎氏】 民放キー局の報道番組で20年以上盗撮犯の実態を追い続けているテレビディレクター。地方の裁判や現場まで足を運び取材をしている
『[鬼畜な盗撮犯]たちの正体』若林氏

弁護士・若林翔氏

【弁護士・若林翔氏】 グラディアトル法律事務所代表弁護士。ホスト、キャバクラなどの顧問を多く務める。YouTubeチャンネル「弁護士ばやし」も運営 取材・文/東田俊介 図版作成/ミューズグラフィック
大学を卒業後、土方、地図会社、大手ベンチャー、外資など振り幅広く経験。超得意分野はエンタメ
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