証券マンたちが暴露する「売り手ばかり儲かるヤバい金融商品の実態」。投資ブームの裏でトラブル頻発
世界的な株高が続き、投資を始める初心者も増えている現在。だが、背後では金融商品を巡るトラブルが相次いでいる。警戒すべき金融商品と、そのカラクリを熟知して情報強者となるべし!
新NISAで活気づく投資ブームの裏側では、金融商品を巡るトラブルが頻発。営業マンと投資家の目的は必ずしも一致しないためだ。今回証券マンたちを招集し、その内実を赤裸々に語ってもらった(名前はすべて仮名)。
――2024年の新NISA開始の前ぐらいから、銀行・証券の口座獲得競争が激化している。
上野:新規に口座開設してくれた人に数千円から1万円程度の現金やポイントを進呈するキャンペーンがあちこちで行われている。その影響もあって、投資信託の残高は過去最高を更新し続けています。
高田:中国経済の減速を受けて、その受け皿になりえるインドに投資する投信への資金流入が増えてますね。半導体関連ファンドなど、特定の分野に投資する「テーマ型投信」がよく売れている。
伊藤:ただ、米国のエヌビディアを筆頭に世界の半導体銘柄は高値圏にあるため、半導体ファンドの先行きを不安視する人も少なくない。テーマ型投信は「この分野は成長性が高い」と勧めやすく、信託報酬が高めで売り手にはオイシイ商品ではありますけど。
高田:地銀や中小証券はなりふり構っていられないんですよ。新NISAは長い年月をかけての資産形成を促す制度のため、若年層にこそ適しているのに、都市部と比較して地方には若者が少ない。それでも新NISAにからめて半ばノルマのように新規口座を獲得するよう言われているので、ポイント稼ぎのために売りやすい投信を売るほかない。
上野:でも、最近は人気の投信ばかり売っても営業成績にならない。特定商品の残高が増えていくと、顧客本位で営業しているのか?と金融庁から目をつけられかねないので、本社が「人気のある投信ばかり勧めるな」と言ってくる。
証券マンたちが告白「売り手ばかり儲かるヤバい商品」
「地銀や中小証券はなりふり構っていられない」
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