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初代プリウスは何が優秀だったのか? 無料修理サービス終了の今、考える

電動アシスト自転車の事例

大雪でも問題なくエンジン始動

 さて、「部品供給が困難」という理由でサービスキャンペーンを終了する初代プリウスでありますが、将来的に“乗れる状態”で維持することができるのでしょうか。  現時点の情報としてはなんともいえない部分があるものの、私としては「なんとかなる」可能性があると思っています。  というのも、電動アシスト自転車では、メーカーがバッテリー供給を終了しても、サードパーティーがバッテリーリビルト事業を行うことによって乗ることができているという事例があるからです。  私は、ホンダの「ステップコンポ」という電動アシスト自転車が好きで今でもコレクションしているのですが、ステップコンポの純正バッテリーは製造開始から8年後ぐらいで供給終了状態となってしまったのです。

ホンダラクーンコンポとステップコンポ(著者のコレクション)

 ちなみに、ヤマハPASについては、1999年製の車体のバッテリーが2013年頃まで提供されていたため、ホンダのバッテリーは早い段階で供給終了になっていたといえます。そのため、当時私は「どうしよう」と思ったのですが、結果的にサードパーティーによるバッテリーリビルトサービスが普及し、今でもステップコンポを“電動アシスト自転車”として使用することができています。  ただ、電動アシスト自転車のバッテリーと、ハイブリッド車のバッテリーとでは、規模が違うため、自転車の事例があるからクルマもOKになるはずだ、と単純にいかないかもしれません。

ホンダ初代インサイトの事例

 とはいえ、クルマでもバッテリーのリビルトサービスが実施できている事例が存在。それが、ホンダの初代インサイトであります。  初代インサイトの走行用バッテリーは、以前から評判があまり良くなく、“5万キロに1度ぐらいの頻度”である初代プリウスと比べてもバッテリーのヘタリが早いといわれていたほど。ネットの情報では、乗り手の環境にもよるものの、3万キロぐらいでバッテリー交換が必要になることがあるという報告もあります。  そして、初代インサイトのバッテリーは交換費用がざっくり30万円といった価格。そうなると、初代インサイトに乗るためには「3年に一度ぐらいの頻度で30万円かかる」という覚悟が必要になってくるといえます。  “3年に一度30万円”というのは、現在私が所有しているベンツW140型Sクラスもびっくりな維持費用。つまり、初代インサイトは維持難易度が結構高いクルマという側面があるわけです。  しかし、そんな初代インサイトの問題点を解決するサービスが存在。それが、サードパーティーによるバッテリーリビルトサービスであります。  その内容は、初代インサイトの走行用バッテリーをトヨタ車で使われているモノに変更するということ。どうやら、トヨタ車で使われているバッテリーは優秀らしく、それに変えることで、「3年に一度ぐらいの頻度で30万円かかる」という心配せず初代インサイトに乗ることができるようになるらしいのです。  ただ、初代インサイトに使われているバッテリーが初代プリウス(NHW10)のモノだったとしたならば、その部品そのものが供給終了になるため、元も子もないといえます。
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バッテリーリビルトサービスはある
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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