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父からはDV、母からは“菜食主義の強要”…「精神を蝕まれた」アイドルが呪縛から解放されるまで

給食も「野菜しか食べさせてもらえない」

 精神を摘み取る闘病生活のなかで、ふかあい氏の母親は菜食主義にのめり込んでいった。かつて暴力でねじ伏せられていた夫に対しても、「今の私には必要なことなの」と撥ね退けたという。 「母は、極端な菜食主義を私にも強要しました。具体的には、口にして良いのは野菜、水、それからその団体からもらっているサプリメントだけです。学校にも連絡し、『うちの娘の給食は、ブロッコリーなどの野菜のみでお願いします』と強硬に伝え、私はみんなが給食を食べているなか、ひとりだけブロッコリーのみを食べることになりました。それは卒業まで続き、中学に入学してからも、お弁当はすべて野菜でした」

お菓子を食べているところを母に見られ…

 その徹底した管理は、育ち盛りの子どもの身体に異変をもたらした。 「朝、登校の前にサプリメントを20〜30錠飲まされるので、おそらくそれが原因で気持ち悪くなってしまって、みんながドッヂボールをしているときに一人でトイレで吐いたりしていました」  ふかあい氏が中学校2年生のころ、両親は離婚に至る。父親からのDVに怯える日々は終わりを告げたが、母親による菜食主義の強要は変わらず続いた。 「一度、どうしても食べてみたいという欲求を抑えられず、お菓子を口にしました。ちょうど母が部屋に入ってきたタイミングと重なり、現場を見た母は宥めるのが困難なほど発狂しました
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「匿ってくれた花屋」に警察が…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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