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またも優勝を逃したベイスターズ。それでも黄金期の到来を信じる理由

痛すぎたタイガースとの開幕戦3連敗

 ’23年3月31日、DeNAベイスターズの戦いは京セラドームでのタイガース3連戦から始まった。  タイガースの開幕投手、青柳晃洋との相性の悪さから主力の宮﨑敏郎を外して臨んだ開幕戦を3対6で落とすと、第2、3戦も惜敗し、3連敗スタート。3連戦を勝ち越していたら、せめてひとつ勝っていれば、今季のペナントレースは違った展開になっていたはずだ。タイガースが優勝を決めたその日、三浦大輔監督がその相手をこう評した。 「ウチは直接対決でやられました(今季11勝13敗)。守備もそうですが、とくに相手の1、2番にやられましたね」  今季のベイスターズは、主軸の4番・牧、その前後を打つ宮﨑の2人が安定したパフォーマンスを見せる一方で、彼らの前を打つ1、2番のオーダーに苦しんだ。開幕からしばらくは、昨年の最多安打・佐野恵太を1番に据える攻撃的な打線に活路を見いだそうとした。5月には10年目の関根大気が覚醒。その関根が斬り込み隊長として定着した交流戦では優勝、一時はタイガースを抜いて単独首位に躍り出たのだが……。

ソフト、ハードの両面で進化しつづけるベイスターズ

1998年の遺伝子

6月のイベントで集結した1998年の優勝メンバー。(左から)石井琢朗チーフ打撃コーチ、ボビー・ローズ、三浦大輔監督、谷繁元信氏、鈴木尚典打撃コーチ

 残念ながら2023年のシーズン優勝は逃したものの、チームもフロントも一丸となり、すでに来季に向かって歩みを続けている。  球団史上最速で本拠地の観客動員200万人を達成した事業面では、さらなる向上を目指し、今年も球団幹部がアメリカのボールパーク視察に出かけた。来年以降も横浜スタジアムは、ファンの笑顔が溢れる空間であり続けることだろう。  スタジアム内に新設された「リカバリールーム」には、MLBのオフィシャル・パートナーであるハイパーアイス社の高性能リカバリー・コンディショニング機器が、日本球界で初めて導入された。その裏には1998年をともに戦ったパット・マホームズが尽力した。同社はマホームズ家が株主のハイテク企業だ。  1998年V戦士のひとり、チーム統括本部長補佐兼スカウト部長の進藤達哉は、今年もペナントレースが山場に差しかかる頃に渡米し、来季以降の外国人選手のスカウティング活動に余念がなかった。ターゲットの選手がマイナーからメジャーに昇格すると、急遽、予定を変更して国内線を乗り継ぎ、広大なアメリカ大陸で孤軍奮闘を続けている。
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牧、山本祐大 1998年生まれの選手が牽引する未来の王朝期
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1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか

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