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住宅ローンで「ゴミ」を買う田舎モンが迎えるであろう、悲しい未来/猫山課長

田舎では買った瞬間に「ゲームオーバー」

その面でみると、そもそも田舎は終わっている。住宅を建てた瞬間に、ゲームオーバーが確定している。 都会の家だろうが田舎の家だろうが、家の価値の下落は変わらない。耐用年数に従って、無価値に向かって進んでいくのは同じだ。金融機関の担保評価の目線で言えば、耐用年数を超過した建物の評価はほぼなくなる。 しかし、都市部の物件については当てはまらない場合がある。 首都圏の中古マンションの価格は一貫して上昇しており、価値はどんどん上がっている。買った時と同じ金額で売却できた話を聞くなど、耐用年数など関係なく価値が上がっている現実がある。これは投資対象として有望視されているからだ。 一方、田舎の中古住宅は悲惨だ。まず、相当安値でないと売れない。なぜなら、多くの人が新築住宅を選択するからだ。 土地が余っているから、そこらじゅうで新規住宅地が開発されている。そこに住宅メーカーが建売、または注文住宅を建てさせる。中古住宅に比べたら費用は跳ね上がるが、「住宅ローンは返せる神話」があるから、借りられるのであれば新築を選ぶ。田舎の中古物件は、貧乏人か移住者が格安で購入するイメージしかない。

あなたの家は、あなたの代しか住まない

多額の借金をして住宅を新築した結果、30年前後で「無価値の固まり」になる。もちろんメンテナンスをすれば住むことは可能だ。高齢になっても住むところが確保できているのは安心だろう。それは大きなメリットだ。 しかし、田舎の中古住宅自体に価値がない事実は変わらない。子供が引き続き住んでくれるならいいだろうが、地方から都市部への人口流出が止まらない時代において、それは淡い期待でしかない。あなたの家は、あなたの代しか住まない可能性が高い。 ならば、「子供に迷惑をかける前に頃合いを見て処分しよう」と考えるかもしれないが、それも困難になる。売却には転居が前提となるが、高齢になってからの引越しは相当ハードルが高く、能動的にそれを選択できるとは思えない。 また、そもそも田舎の中古物件は人気がないのだから購入する人が見つかる可能性も低い。田舎の人口は減少し続けているのを忘れてはいけない。見回せば、あなたの住む地域にいくつも空き家があるのがわかるだろう。その一つに、あなたの住居も仲間入りすることになるのだ。 現在、最長で50年返済の住宅ローンが登場している。正気とは思えない返済期間だが、ニーズがあるから登場したのだろう。仮に30歳で住宅ローンを借りた場合、完済時の年齢は80歳になる。人生の半分以上の時間を使って返し続けて残ったものは、無価値どころか親族の人生の足を引っ張る厄介者なる運命が待っている。 田舎で多額の住宅ローンを借りるということは、一度しかない人生の終盤を台無しにするどころか、子孫から恨まれる事態を呼ぶかもしれない。初めから資産性がマイナスになることがわかりきっているモノに投資する人はいない。 田舎モンは、そんな馬鹿げた投資に人生を捧げている。 <文/猫山課長>
金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager
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