ライフ

“伝説の暴走族”幹部が司法試験に合格するまで。「18歳になったら特攻服を着るのが気恥ずかしくなった」

「本気で事件を解決する姿勢がみられた」二審の裁判長

「二審は判検交流(裁判官と検察官を一定期間交換する、人事交流制度)によって着任した検事が裁判長でした。すると、おざなりな証拠調べはせず、精査してくれました。被控訴人である被告にも『反論はこれだけですか?』と迫るなど、本気で事件を解決する姿勢がみられました。  こういうことは、和解に誘導しがちな民事裁判では珍しいと思います。民事裁判では、事実関係の是非以上に、紛争をどう解決するかという点に注力するためです。いろいろと賛否両論ある判検交流ですが、結果としてはこの裁判官によって一審は覆り、無事に勝訴することができました」  まったく異なる畑でも臆することなく飛び込み、最後には必ず成功を掴み取る金﨑氏の度胸には驚嘆させられる。氏が渡り歩いてきた世界はどれも、人並み程度の努力ではすぐに淘汰される厳しいものだ。築き上げてきたものを後生大事に抱えるのではなく、そのとき興が乗る場所を“本籍地”にしてしまう氏のフラットで潔い姿勢が、司法の不文律を破りつつある。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
1
2
3
4
5
おすすめ記事
ハッシュタグ