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「35万円の犬に40万円分のオプションをつけて売ったことも…」Coo&RIKU元店長が暴露する“客単価重視”の内情

店員の競争意欲を煽る“仕組み”

儲けのカラクリ

悪徳商法が報じられたペットショップ最大手「Coo&RIKU」

かつては、一人のショップ店員が1頭につき50万円を超す売り上げを立てると、5万円のインセンティブが発生した。後に、3%(50万円なら1万5000円)に引き下げられたが、インセンティブだけで10万円以上得るスタッフも少なくなかったという。 「販売成績を競う賞金レース(コンペ)が頻繁に開催されるからです。そのコンペ専用のアプリがあって、全国の店舗のスタッフの数字をリアルタイムで見ることができました。そうやって、競争意欲を煽っていたのです」 そんな仕組みでクーリクは売り上げを伸ばし続け、創業から二十数年で200店以上に。独自の繁殖場や動物病院、猫カフェなどにまで手を広げてペット業界最大手の地位を築いたのだ。 “新潮砲”によるイメージの悪化は避けられないが……Aさんは「あくまで一部の店舗の問題」と話す。 「私が店長を務めた店はクレームが入ったことも、販売した直後に病気が発覚するようなことは一度もありませんでした。本社のある東京では本部の人がよく店舗の視察に訪れていたので、その影響でしょう。新潮さんの記事には、フード定期プランを途中解約させてくれなかったと訴える人がいましたが、解約は間違いなくできます。ただ、そのオプション契約によって生体価格が8万円割り引かれるので、解約すると8万円請求されるというだけ。決して高額な“解約料”ではないんです」

クーリクやブリーダーに繁殖引退犬をねだる保護団体

そのうえで、Aさんは「動物愛護団体やブリーダーにもクーリクよりもヒドイ人がいる」と話す。 「例えば、先天性の病気とわかっていても告知せずに個人向けに販売しているブリーダーが一定数います。悪徳ブリーダーが出品するものはペットオークションでいい値が付きづらいし、排除されることもあるので、自作の販売サイトなどで“直販”するわけです。 一方で、保護団体のなかには、クーリクやブリーダーに『繁殖引退犬を1万円払ってくれたら引き取る』と“営業”するところもある。売り物にはならない繁殖引退犬はブリーダーにとって負担になりますが、血統の良さから里親は見つけやすいので、保護団体にとっては“優良物件”。ブリーダーからは1万円をもらい、里親からその何倍もの譲渡料や寄付金を集めるんです。こうした活動のことを“下請け愛護”と呼んだりします」
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“寄付金ビジネス”で荒稼ぎする保護団体も
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