仕事

中卒の元ヤンキーが資産50億円の“飲食店ドリーム”を叶えるまで「15歳から学んだ料理の“姿勢”が大きい」

「ミシュランの星を獲ること」が料理人としての野望

鈴木慎也 その後、しばらく仕事から離れるために悠々自適な暮らしを行っていたところ、いっとき精神を病んでしまったことがあったそう。 「何もしないよりも、料理の仕事と向き合っていた方がいい」  そう感じた鈴木さんは日本一高級な老舗ステーキ専門店「麤皮」の門を叩く。  高級料理店の勤務経験、肉に関する幅広い知識など、非常に難易度の高い採用要件をクリアし、麤皮のシェフに就任する。 「今まで固まりの肉を炉窯で焼くことはなかったので、とても新鮮な気持ちで仕事に取り組むことができました。また、客単価がものすごく高いため、市場に出回らない最高級の食材も扱える。このような、料理人冥利に尽きる環境で働けたのはもとより、企業の会長や、政界・財界のVIPを相手に料理を提供する貴重な経験ができたのは、自分にとって大きなプラスになりました」  2023年8月から渋谷の隠れ家ステーキ専門店「ロガマステーキ アルカヌム」の料理長を務める鈴木さん。
田村牛

最高品質の和牛と言われる「田村牛」

 今後の展望は「この店でミシュランの星を本気で獲りにいく」と意気込む。 「田村牛の専門店として、炉窯ステーキの魅力やこだわりを伝えていき、お客様に『また来たい』と思ってもらえるような食体験を提供していきたい。渋谷の地で飲食店をやるのは初めてなので、まずは認知度を上げていき、多くのお客様に愛されるお店を目指していきます」  不良から料理人へ。そして、経営者としては50億円の資産を築くことに成功。まだ手にしていないのは、料理人としての栄誉であるミシュランの星だけだ。鈴木さんのさらなる挑戦が続く。 <取材・文・撮影(人物)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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