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「安すぎる」「銀行振込のみ」は疑うべき…ネット通販詐欺に騙される人の特徴

先日、筆者のもとに東京大学卒の30代知人から連絡があった。 「恥ずかしながら、ネット通販で詐欺にあったかもしれないです。いま、軽く電話できませんか?」 彼のように、ネット通販サイトで入金したのにも関わらず、商品が届かない「ネット通販詐欺」の被害にあう人がここ最近増えているようだ。 筆者(田中謙伍)はAmazon日本法人に新卒入社し、現在はAmazonで商品を出品するメーカー事業およびメーカー企業へのコンサルティング会社を経営している。 本稿では、近年被害者が急増している「詐欺ECサイトの特徴」と、「騙されてしまう理由」を消費者心理の観点から解説する。
ネット詐欺

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「ネット通販詐欺」の巧妙な手口とは

ネット通販サイトで入金したのにも関わらず、商品が届かない「ネット通販詐欺」の被害にあう人がここ最近増えているようだ。 こうした詐欺ECサイトで取り扱われるのは、化粧品やスポーツ用品、ペットグッズ、日用品などにおける人気商品のほか、有名ブランドを取り扱うものまでさまざま。その特徴を挙げていこう。 まず、商品の価格があげられる。詐欺ECサイトは、消費者の目を引く価格に設定しているケースが多いのだ。人気商品は他サイトで品切れになっているケースも少なくないため、思わず「ポチリ」としてしまいたくなるのだろう。 また、往々にして詐欺ECサイトは日本人以外が詐欺サイトを制作していることが多いと指摘されている。その根拠として、日本語の記載内容が正しくないことが挙げられる。漢字が旧表記になっていたり、代表者名の名前と名字が逆転しているためだ。

「銀行振込のみ」の場合も怪しい

ほかにも、 ECサイトでは必ず掲載が求められる「特定商取引法に基づく表記」や利用規約にもおかしな点が見つかる。もし運営会社の情報があったとしても、実際に存在する会社名が検索してヒットするものの、住所や電話番号は別の会社の情報が使われているといったちぐはぐな情報も見かける。 「特定商取引法に基づく表記」がなかったり、日本語がおかしい場合、100%詐欺ECサイトと言ってよいだろう。そして、カード支払いができず、銀行振込のみの場合ほとんどが“クロ”だ。これだけ特徴わかれば、騙されることはない……そう願いたいが、残念ながら筆者のまわりでも詐欺ECサイトで購入・入金手続きををしてしまい、商品が届かなかったという声を耳にしている。
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ヤフオクやメルカリの商品画像が盗用される理由
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EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している

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