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「安すぎる」「銀行振込のみ」は疑うべき…ネット通販詐欺に騙される人の特徴

Amazonや楽天で売り切れの商品は「世の中に流通していない」

ところで、こうした詐欺ECサイトではなぜメルカリの商品情報が狙われてしまうのか。歴史を遡ると、これまでも詐欺ECサイトは存在したが、大手のECプラットフォーム側は随時対策を打ってきたからだ。 たとえば、Amazonや楽天市場などの大手プラットフォームは、先述した「スクレイピング」や「クローリング」と呼ばれるサイト情報を抜き取ってコピーサイトを作る手口が簡単にできないように対策されている。 だが、Amazonや楽天に比べ、メルカリの場合詐欺ECサイトでの対策が不十分である可能性がある。今や大手プラットフォームはほとんど全てのネット通販事業者が販売していると言ってよいほどカバー率が高いため、ここで売り切れてしまっている商品はもはや世の中に流通していないといってよいと考えるべきだろう。

筆者のサイトがニセモノだと思われた?

最後にひとつエピソードを紹介しよう。 以前、筆者が経営する会社で取り扱っている商品がテレビで取り上げられたところ、商品が通常時の10倍以上売れたことがある。その際、売れたサイトは自社のECサイトではなく、楽天とAmazonだったのだ。 おそらく、その理由は筆者が経営する会社が用意した公式商品ページが“ニセモノ”と思い込む消費者が多かったからだと思われる。つまり、消費者にとってそれだけAmazonや楽天で購入することが信頼されるプラットフォームとして認識されているのだろう。 だが、将来的には、ほしい商品をネットで購入する場合、大手ECサイトを含め、どのECサイトでも安心して購入できる未来が訪れることを筆者は望んでいる。 <TEXT/田中謙伍>
EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している
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