“ラーメン税”を外国人観光客から徴収すべき理由「年間100億円の税収は期待できる」
筆者(田中謙伍)はAmazon日本法人に新卒入社し、現在はメーカー企業のEC戦略を支援する会社を経営しているが、さらに交通やまちづくりにかかわる事業も進めている。
本記事では年々増加するインバウンド観光客のニーズの現状から、日本経済復活に向けた施策について紹介する。
連日インバウンドニーズが高まっているが、彼らは何を目的に観光に訪れているかご存知だろうか。
その一つが「食」だ。GMOリサーチの調べによると、海外在住の20~69歳の男女3,000人の日本に行きたい理由の2位が食だった。
では、具体的にどのような料理が好まれているのか。実は、彼らは寿司、天ぷらと並んで意外にもラーメンを好んで食べている。
2024年に国土交通省・観光庁が発表した「訪日外国人の消費動向」の調査によると、外国人旅行客の方が日本で最も満足した食事は、1位が肉料理、2位がラーメン、3位が寿司となっている。
ラーメンは、「安くておいしい食べ物」として認識されている。なかにはラーメン店を一日で複数店まわる「Tokyo Ramen Tours」なるツアーも企画されているほどだ。
特に外国人観光客に人気があるのは、博多とんこつ系だ。秋葉原ならばコロナ前から行列をなしていた「九州じゃんがら」に加え、都内を中心に9店舗を展開するとんこつラーメン店「博多風龍」も人気。
先日筆者が訪れた博多風龍の場合、日中の客の半分ほどはインバウンド観光客に見えた。店内は券売機、張り紙など見えるものすべてが英語、中国語、韓国語など、複数言語に対応していることが強みである。
また新宿エリアならば、ラーメン二郎、蒙古タンメン中本などラーメン激戦区として知られる小滝橋通り沿いにある「龍の家」が有名である。
こちらの店舗も複数言語に対応した張り紙が店内に貼られている。また、東京以外では「一蘭」や「一風堂」など、世界的に有名なとんこつラーメン店の本店が集積する福岡にラーメン目当てで訪れる外国人観光客が絶えない。
さらに外国人客観光は「せっかくだから」と味玉やチャーシューなど「全部入り」の1,500〜2,000円台のメニューを注文することも珍しくなく、客単価アップに貢献している。
それだけニーズが高いとなると、ラーメン店が多ければ多いほど日本国内の経済効果がさらに期待できることは言うまでもないだろう。
とはいえ、「経済効果があるからラーメン店をもっと増やせ」と観光庁など国側が号令をあげることは非現実的であるため、的外れの提案だろう。
「安くておいしい食べ物」として認識されているラーメン
“ラーメン目当て”で福岡に訪れる観光客も
EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している
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