売上は年4,000万円なのに利益は88万円「儲かっている感覚がなかった」
OEMビジネスを始めた理由は、将来に備えて、もっと“
手元に残るお金を増やすため”だったはず。そこがクリアできなければ、いつまでも不安は解消されません。
「儲かっている感覚がなかったので、“
このままでは意味がない”と気づいたんです」
その危機感から数値管理を学ぶため、Gさんが私のスクールに入ったのは、OEMビジネスを始めて6年ほど経った2022年12月でした。
「OEM関連のYouTubeをよく見ていたのですが、船田さんの動画はOEMでアパレルを扱うコツや売上の管理方法などについての動画も多く、課題を感じていた私には魅力的でした。それで直接、船田さんから学びたいと思うようになりました」
スクールに参加したGさんは「同じ志を持った仲間とのやり取りが何よりも刺激になる」と感じたそうで、他のメンバーの良いところを学び、自分の課題を客観的に確認できたといいます。
Gさんのビジネスの状況を見て私が感じた課題は、本人も認識している通り、やはり利益率です。
売上が年間4,000万円ほどあったものの、最終的な手元に残る利益は88万円でした。一般的には売上に対する当期純利益は6%ほどと言われていることを考えると、若干少ない印象です。要因を確認すると、広告費が多すぎました。さらに、新商品の当たり外れが大きく、売れ残った商品を600万円分も廃棄していたのです。
「船田さんからは『ペルソナやターゲットの設定が甘い』というご指摘も頂いているので、精度を上げて利益にこだわるのが今の課題です」
商材がアパレルである以上、流行や気温などの予測は難しいもの。試行錯誤を重ねることはある程度は仕方のないことではありますが、できるだけヒット率を上げる必要はあります。商品の良さだけでなく、販売ページへの集客や商品画像の見せ方も大切ですし、複数の新商品を出してみて当たったものだけを大きく展開していくユニクロのようなやり方も定石です。
不動産投資よりも自社ブランドOEMにシフトしていきたい
Gさんの今の目標は、利益率向上と高単価商品の販売です。
「今後は不動産投資よりも自社ブランドOEMで稼げるようにシフトしていきたいです。これまでは単価が安い商品が多かったので、売上と利益をアップさせるための戦略として高単価商品を取り扱います。単価を上げると競合も強くなりますし広告費も必要になりますが、挑戦してみたいですね。すでにメンズのブルゾンやレディースのトレンチコートなどを販売し始めているところです」
Gさんの強みは会社員としての安定した収入があり、“
キャッシュを回す力がある”ことです。すでに6~7年もの自社ブランドOEMの経験がありますから、無駄なものを切り捨て、さらに利益にこだわる意識を持てば、理想的な利益率を達成できると感じています。
私も今のビジネスを始めて5年目の頃は様々なチャレンジを行い、試行錯誤している時期でした。どんなビジネスでも10年やると経営者として見えるものがありますが、Gさんもそのフェーズを目指している時期なのだと思います。売上は出ていますし、キャッシュをまわすセンスもある。
ここから利益を最大化する動きができれば、サラリーマンの倍ぐらいの年収になってくるのではないかと期待しています。
<構成/松本果歩>
物販コンサルタント。自社ブランドOEMスクール「
物販NAVI」運営。かつては大手物流企業に勤めるも給料が少なかったことから新聞配達や深夜の警備員などでなんとか生活。ある雑誌で「せどりで稼ぐ方法」の記事を見つけたことをきっかけに、2011年6月より国内転売をスタート。2014年9月に脱サラ、法人設立後は自社ブランドOEMで月収500万円を達成。現在では物販スクールの講師としてコンサルも行いつつ、売り上げは月商2000万~2500万円をキープしている。YouTubeチャンネル(
@navi913)でも情報発信中。