更新日:2024年05月20日 16:56
お金

36歳の現役パチプロが見据える「その後の人生」。“会社員になりたくない”を貫き通して…

 皆さん、こんにちは。「物販NAVI」を運営している物販コンサルタントの船田寛と申します。
船田寛

「物販NAVI」を運営する物販コンサルタントの船田寛氏

 ビジネスではこれまでの経験が意外な形で生かされることがあります。第10回目は、現役“パチプロ”のHさん(36歳・男性)の事例をご紹介します。  パチプロとは、パチンコやパチスロの勝ち金で生活する自由気ままな稼業の代名詞でもありますが、お世辞にも世間体が良いとは言えません……。  そんななかで、Hさんは13年以上ほぼパチンコのみで生計を立てていました。ところが、パチンコではあまり稼げなくなってきたため今年、副業で自社ブランドOEMをスタート。異業種へのチャレンジですが、実はパチプロから自社ブランドOEMに生かせる部分や、成功するためには共通して必要な能力があります。それは一体、何だったのでしょうか。  彼の姿を見ていると、“自分らしい人生”とは何かを考えさせられる部分があります。

13年間パチプロとして生活。次第に稼げなくなり…

パチンコ・パチスロ

※写真はイメージです。以下同

 Hさんは4年制の大学を卒業後、証券会社に入社し営業に配属されました。やる気は十分にあったものの、会社の方針に違和感を覚え、1年2カ月で退職することに。 「あまり儲からない金融商品をお客さんに対して、まるで騙すようにして売りつけなければいけなくて。精神的に疲弊し、退職後もすぐには転職先を探す気にはなれませんでした。とはいえ、収入がないと生きていけないので、大学時代に遊びでやっていたスロットを再開したんです。すると、思った以上に稼げてしまったのでそのままパチプロとして生きていくことにしました」  結果的に「稼げてしまった」ため、そのままパチプロとなったHさん。ほぼ毎日パチンコ屋に通い、期待値がプラスの台を打つことをルーティン化していたそうです。13年もの間パチンコで生計を立てることができたのは奇跡にも思えますが……。 「期待値の計算ができて、黙々と取り組める人なら誰でもできると思いますよ。もちろん勝つ日もあれば大損する日もあります。収入は安定しませんでしたが、会社勤めで人間関係に翻弄されるよりも人と関わらなくていいパチンコの方が私には気楽でした」  パチンコにこだわっているわけではなく、たまたまパチンコで稼げたからやっていただけと話すHさん。調子の良い時は年間で500~600万ぐらい稼げていたそうですが、「昨今はパチンコ業界も人件費や光熱費の高騰で出玉の設定が厳しくなっている」とのこと。ここ数年は稼げる金額は年間360万にまで減ってきてしまっていました。このまま生計を立てるのは難しいと考えたHさんは副業を探し始めます。

パチプロ仲間には副業に「物販」を選ぶ人が多い

玉 Hさんは以前にも一度、副業で欧米輸入物販を経験していたそうです。頭にまず浮かんだのが、同じ物販ビジネスでした。 「パチプロ仲間には副業で物販を選ぶ人が多くいました。パチンコも物販も“数字に強いほうがアドバンテージが高い”という共通点があり、成功する人も少なくありませんでした。  私は28歳くらいの時にパチンコで稼げなくなった時期があって、スクールに入って欧米輸入物販を学びました。子供服の並行輸入品を販売して、月に5万から10万ぐらい稼げていました。ただ、同じ商品をAmazonが売り出したため、自分は取り扱いができなくなり、そのまま辞めてしまいました。そこまで熱意がなかったんですよね……」  再び収入面の問題から物販に挑戦しようと思ったHさんは、調べるうちに中国輸入OEMにたどり着きました。欧米輸入物販と異なり、中国輸入OEMは「在庫を自宅に保管しなくてもいい」ところに魅力を感じたといいます。 「欧米輸入物販では自宅に大量に在庫が届き、自分でシールを貼って発送する必要がありました。発送作業がかなり負担になっていたのですが、中国輸入OEMなら中国の工場から直送できると聞き、それならよさそうだなと。そんなときにパチプロ関係の知人の星野友宏さんが、船田さんのスクールで講師をやっているとSNSで知って、紹介してもらったんです。  そんな経緯でHさんは2023年2月に私のスクールに入ってくれました。商品のリサーチから販売開始する7月までの間、Hさんは彼からのアドバイスで「パチンコ禁止」を自分に課していたのだそう。 「星野さんから『自社ブランドOEMは最初は手が掛かるし、パチンコを打ち終えて自宅に帰ってきてからやっても全然はかどらないと思うよ。勝手を覚えるまでの数か月だけでも専念したほうがいい』と言われて。収入源が絶たれる不安はありましたが、多少は貯金もあったので、思い切って自社ブランドOEMに集中する環境をつくりました」
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ライフワークの銭湯通い
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物販コンサルタント。自社ブランドOEMスクール「物販NAVI」運営。かつては大手物流企業に勤めるも給料が少なかったことから新聞配達や深夜の警備員などでなんとか生活。ある雑誌で「せどりで稼ぐ方法」の記事を見つけたことをきっかけに、2011年6月より国内転売をスタート。2014年9月に脱サラ、法人設立後は自社ブランドOEMで月収500万円を達成。現在では物販スクールの講師としてコンサルも行いつつ、売り上げは月商2000万~2500万円をキープしている。YouTubeチャンネル(@navi913)でも情報発信中。

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